平らなものを撮影するには、いくつか方法がある。ここでは下に挙げたうちから、1の方法を説明する。
- ミラーレスカメラとコピースタンドを使う
- 冊子やパンフレットなどの書影の撮影に
- 電子化には向かない
- フラットベッドスキャナーやドキュメントスキャナーを使う
- 冊子やパンフレットの電子化に
- 本を裁断できれば作業が早い
- 0.5×の対物レンズの付いた正立顕微鏡や、0.5~5×の対物レンズの付いた実体顕微鏡
- 顕微鏡標本の全体を撮影するのに
機材
- ミラーレスカメラ
- ディスプレイを回して手前に向けられるもの
- 標準ズームレンズ
- 撮影するものの大きさに合った焦点距離のレンズを選ぶ。最小撮影範囲は、イメージセンサーの大きさ、焦点距離、最短撮影距離から計算できる → カメラの撮影範囲の計算
- 小さなものや大きさの決まったものならマクロレンズ
- C-PLフィルター
- 光源の偏光フィルムと組み合わせて反射を抑制する
- コピースタンド
- あまり安価な製品は安定せず使いにくい
- クイックシュー
- カメラ取り付け後の水平出しをせずに済ませるため
- 鏡
- カメラの水平の調節に使う。机の面に平行におけるもの。100円ショップにある
- カラーカード
- カラーバランスの調節に使う
- ライトスタンド 2台
- Zライト(山田照明)ないし類似のアームを備えたLEDの照明
- 偏光フィルム
- 光源に貼り付けて偏光をつくる
- ブックプレッサー
- 低反射フィルムで表面処理されたアクリル板にハンドルの付いたもの。厚い冊子の誌面を撮影するとき
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準備
照明の取り付け
- ライトスタンドを2台、机の左右にとりつけ、その中央に置いたコピースタンドを左右から照らせるようにする
- ライトスタンドのLEDを偏光フィルムで覆う。偏光の向きが左右同じになるように注意
コピースタンドとカメラの準備
- コピースタンドを机上に立てる
- クイックシューをカメラとコピースタンドに取り付ける
- レンズにC-PLフィルターを取り付ける
- カメラをコピースタンドに取り付け、ディスプレイを手前に向ける
- 鏡を机に置き、レンズが写るようにカメラの向きと鏡の位置を調整する
- ファインダーの中心にレンズが写るように、カメラの向きを微調整する
照明の準備
- 2台のライトを左右対称に撮影範囲の中心に向ける。撮影範囲の中心からライトへの仰角が45度かそれ以下になるようにする
- レンズを広角側にし、視野全体が均一に照らされるように、ライトの位置と向きを微調整する
- ディスプレイを見ながらC-PLフィルターを回し、反射が最低になるようにする。必要ならライトの向きも微調整する
ホワイトバランスと露光量の設定
- 部屋の照明を消す
- カラーカードのニュートラルグレーを使って、ホワイトバランスをとる
- カメラの露出設定を次のようにする
- 露出調整をマニュアル(M)にする
- ノイズが目立たない範囲でISOをなるべく高めに設定する。低すぎるとブレやすく、作業の効率が下がる。カメラ次第だが、ISO800〜1600から試す
- シャッターを5秒のタイマーにする
- 絞りを8〜16くらいに絞る
- カラーチャートのグレースケールを映し、ヒストグラムをみながらシャッタースピードで露出調整する
撮影
- 写そうとするものをカメラの下に置いて、その位置と焦点距離を調整して、うまく写るようにする
- 本などの紙面が平らにならなければ、次のような工夫をする
- 左右のページの高さが違ってしまうなら、適当なスペーサーを表紙の下に置く
- ブックプレッサーを使う。反射が入るときは、ライトを下げて低角度から光が当たるようにする
- シャッターを押し、露出が終わるまでじっと待つ。本などなら、その間ページを押さえる