Wordのデフォルトでは、日本語のフォントと英数字用のフォントに同じ日本語のフォント(Mac版Word 16では、游明朝)が適用される。この場合、日本語のフォントには斜体がないので、「in vivo」や「et al.」など斜体にしたい英数字に斜体を使うと不格好になる。
あるいは、日本語のフォントに日本語のフォント(MS明朝など)、英数字用のフォントに英語のフォント(Times New Romanなど)と、別なフォントになることもある。英数字の斜体はきれいになるけれども、日本語と英数字とでデザインが違う。全角英数字と半角英数字が混ざっているとデザインの違いが特にめだつ。日本語がMS書体の場合、太字のフォントもないために、太字を適応すると黒つぶれした見辛い文字になってしまう。
これは2つの工夫で改善できる。
- 日本語と英数字が同じデザインで、スタイルの豊富なフォントを選んでインストールする
- スタイルにそれらを使って定義する
ここではGoogleフォントのNotoファミリーを使う。Notoファミリーには多様な言語のそれぞれにデザインした多くのフォントがある。いずれも無料。
- Notoファミリーのうち、Noto Sans、Noto Sans CJK JP、Noto Serif、Noto Serif CJK JPをダウンロードし、システムにインストールする。Sansはゴシック体、Serifは明朝体相当である。
- Wordで新しい書類を作成し、スタイルウインドウを開く。
- 標準を右クリックし、変更を選ぶ。(*注意 文末参照)
- 左下の書式メニューからフォントを選ぶ。
- 日本語用のフォントにNoto Serif JP Lightを、英数字用のフォントにNoto Serif Lightを選んで、OKをクリック。科研費の申請書なら、サイズは11ポイントにする。
- Notoを使うと、行間が広くなってしまう。そこで、書式メニューから段落を選び、行間を変更する。固定値にするのがよい。
- スタイルの「見出し」、「表題」、「強調文字」などにも適宜Notoから選んで適応しておく。
* 既存の書類(科研費の書式など)にこれを使う場合、「標準」のスタイルを変更すると書類全体に影響が及んでしまう。この場合、新しいスタイルを作成し、「本文」など既存のスタイルにない名称を付け、それを使うようにする。