グレイ解剖学アトラス原著第3版

グレイ解剖学アトラス原著第3版 電子書籍付

グレイ解剖学アトラス原著第3版 電子書籍付

Richard L. Drake, A. Wayne Vogl, Adam W. M. Mitchell, Richard M. Tibbitts, Paul E. Richardson
11,000円(12/07 23:25時点)
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『グレイ解剖学アトラス』は『グレイ解剖学』に対応したアトラス。『グレイ解剖学』と同じイラストレーターたちによる明解な図が多く使われ、医用画像や体表解剖と統合されていることが特徴。

『グレイ解剖学』自体、多くの図が使われているので、それに加えてこのアトラスを使う意義はどのくらいあるだろうか。また、同じくCGを使ったイラストのアトラス『プロメテウス解剖学 コア アトラス』と比較してどうだろうか。

『グレイ解剖学アトラス』の特徴は次の4つだ。

  • 『グレイ解剖学』と章立てや用語が揃っている
  • 『グレイ解剖学』よりも詳しい図が多数ある
  • 医療画像が多く取り入れられている
  • 電子書籍がついている(『プロメテウス解剖学 コア アトラス』にはない)

『プロメテウス解剖学 コア アトラス』はもとドイツ語圏の本なので、英語圏でできた『グレイ解剖学』と使うと、用語の差違に戸惑うことがある。出版社は異なるが同じく英語圏の『グラント解剖学実習』とも差違がある。短期間に多くを学ぶので、こうしたことも煩わしい。

一方、『グレイ解剖学』と『グレイ解剖学アトラス』とは原著者、出版社が同じなので、用語だけでなく章立ても揃っている。微妙な違いによる煩わしさがない。

『グレイ解剖学アトラス』の図は、『グレイ解剖学』と同じイラストレーターたちが描いたものだ。重複するモチーフは多いが、より詳しく描かれ、タッチにもリアリティーがある。レイアウトには見開きが多用され、迫力がある。

比較のため、『グレイ解剖学アトラス』から図をいくつか選び、それに似た図を『グレイ解剖学』から探してみた。

胸部から、縦隔右側面の図。『グレイ解剖学アトラス』ではより多くの構造が描き込まれ、向かいのページの3D CT像と対比できるようになっている:

 

グレイ解剖学アトラス

 

グレイ解剖学

 

縦隔横断面のCTと解剖との対比。『グレイ解剖学アトラス』ではより多くのスライスが使われている:

 

グレイ解剖学アトラス

 

グレイ解剖学

 

このように、『グレイ解剖学アトラス』には解剖と医療画像とを対比できる図が多い。解剖実習でCT像を参照するだけなら、CTの教科書はなくても済むかもしれない。『プロメテウス解剖学 コア アトラス』に医療画像がほとんどないのと対照的だ。

鼠径管の図は見開きになっていて、ほぼ原寸大だ。男女とも詳しく描かれている。女性の鼠径管が詳しい教科書やアトラスは少なく、女性の解剖体を担当する学生が困ることが多い。この図が助けになるだろう:

 

グレイ解剖学アトラス

 

グレイ解剖学アトラス

 

グレイ解剖学

 

グレイ解剖学

 

腹部の内臓の痛覚と放散痛のまとめ。『グレイ解剖学』よりも、『グレイ解剖学アトラス』ではグラフィックで詳しく、分かりやすい:

 

グレイ解剖学アトラス

 

グレイ解剖学

 

筋のまとめの表。『グレイ解剖学アトラス』では、色分けで見やすくなっている。見開きで模式図もある:

 

グレイ解剖学アトラス

 

グレイ解剖学

 

 

 

『グレイ解剖学アトラス 原著第3版 』と『グレイ解剖学アトラス 原著第2版』との違いはどうだろうか? 実は、構成やレイアウトがほぼ同一だ。上で紹介した、女性の鼠径管の見開きの図だけが、新しく加えられた。この図の後のページ数が2ページズレているだけで、同じところに同じ図がある。

用語の統一など、タッチアップは施されているようだ。

 

写真の左側が原著第3版、右側が原著第2版。弁尖の名称が日本語で入った

 

残念ながら、以前指摘した脳神経ⅣとⅥの走行の間違いはまだ修正されていない。下の図で、脳神経の中枢側の配置が変なのだが、原著にあったラベルが日本語版では外された。考えると却って混乱させられるので「見ないで」、という配慮だろうか。イラスト自体が変なんじゃ? というときは、写真のアトラスを参照するとよい。

 

 

グレイ解剖学アトラス

 

原著

 

Photographic Atlas of Anatomy』から。脳神経と脳幹との連絡が残されているので、繋がりや配置がわかる。8: CN VI, 9: CN V, 10: CN IV, 10: CN III,

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