眼窩の支配神経の図をチェック

グレイ解剖学 原著第2版』の眼窩の神経支配の図(図8.98)に誤りがあるとの情報があり、各種教科書・図譜を確認。

Gray’s Anatomy for Students: With STUDENT CONSULT Online Access, 3e

グレイ解剖学 原著第2版』の原著第3版から。滑車神経(IV)と外転神経(VI)の中枢側の横方向の位置関係が入れ替わっている。硬膜などを取り去って神経を宙ぶらりんにすればこの状態にはなり得るが。
GAS3

Grant’s Atlas of Anatomy (Grant, John Charles Boileau//Grant’s Atlas of Anatomy)

Grant’s Atlas of Anatomy』は正確に描かれている。頭蓋底の図と脳の腹側面の図を見比べるとわかりやすい。

脳神経が硬膜を貫く位置と、脳からでる位置。外転神経は脳幹の前面からでて眼窩の外側へ、滑車神経は後面からでて前に回り眼窩の内側へ行くので、中枢側と眼窩側で横方向の位置関係が入れ替わる。

GAA13

GAA13-2

グラント解剖学実習

頭蓋底の神経・血管の模式図。

GD14

Clinical Neuroanatomy and Neuroscience: With STUDENT CONSULT Access, 6e

海綿静脈洞、脳神経、内頸動脈の位置関係。

CNN6

解剖学カラーアトラス 第6版

解剖学カラーアトラス 第7版』の前版から写真と模式図。(模式図の「0」は「10」がスキャンの時に欠けてしまったが、滑車神経を指している。)

CAA6(ja)

Gray’s Anatomy: The Anatomical Basis of Clinical Practice, Expert Consult – Online and Print, 40e

厚い方のGrayでは、滑車神経(IV)と外転神経(VI)の中枢側が描かれていない。

GA40

Gray’s Atlas of Anatomy, 2e (Gray’s Anatomy)

グレイの図譜も変。

GAA2

ネッター解剖学アトラス 原書第5版

中枢側が平行に走っていそう。よくわからない。

NAHA5(ja)

Atlas of Anatomy (Thieme Anatomy)

プロメテウス解剖学 コア アトラス』の原著から。『プロメテウス解剖学アトラス 頭頸部/神経解剖 第2版』にも同じ図がある。正しそう。

AA2

Atlas of Clinical Gross Anatomy: With STUDENT CONSULT Online Access, 2e

模式図から。中枢側が描かれていないが、向きがあやしい。(写真の図譜だが、写真の方は剖出が雑でよくわからなかった)

ACGA2

Sobota Atlas of Human Anatomy Engl/Latin

アプリ版から。中枢側があいまい。

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局所解剖学アトラス

絶版になった図譜から。上の図の21が外転神経。そのすぐ外側にあるのが滑車神経。

ATA

考察

グレイ解剖学』の眼窩の神経支配の図には、図自体に誤りがある。『ネッター解剖学アトラス 』など、曖昧に描かれている場合もあった。

写真による図譜では、『Anatomy: A Photographic Atlas』(『解剖学カラーアトラス 』)の剖出が最も丁寧・確実でわかりやすかった。

アイキャッチ画像:The Bartleby.com edition of Gray’s Anatomy of the Human Body

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