アトラスを比較する

同じ場面の解剖図・写真でアトラスを比較してみる。

眼窩の神経の図がアトラスにより様々だったので、他の部位でも比較する。肝胆膵領域の腹腔鏡手術を想定し、腹膜のある状態と脈管・胆管を剖出した状態の図をさがした。

図は初版から。部位ごとに章立てされているが章の中では系統解剖学的に構成されているので、関連付けたい図が遠くにある場合がある。ここでは、一つは腹膜の図から、他方は血管の図から切り取った。CGで細密に描かれ、透明感や透視の表現に優れる。一部を再使用しながら解剖のレベルの違う図が描かれているようだ。

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肝胆膵の領域の図はここに挙げた他にも多くあった。不透明水彩で描かれている。原図のサイズがあまり大きくないのか、筆のタッチがみえる。

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CGで描かれている。『プロメテウス』よりも模式化の程度が強く、みて理解しやすいが、脂肪などの結合組織が描かれていないことが多い。

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Inkling版からのキャプチャ。木炭画に彩色されたもの、ペン画に彩色されたもの、CGによる模式図など、いろいろの画法の図がまざっているが、木炭画の図が一番念入りに描かれているようだ。この付近の動脈には変異が多い。その図があるのは良い。

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写真によるアトラスの中では、解剖体の状態、解剖の緻密さ、撮影技術にもっとも優れているようだ。

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写真によるアトラス。このアトラスにだけ内視鏡像と解剖体の写真との対比があり、その志向はタイトル通り。本書の写真は玉石混淆で、肝胆膵のはよくないのが目立つ。問題は解剖体か、解剖技術か、撮影技術か、写真がごちゃごちゃしてわかりにくい。

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写真によるアトラス。肝胆膵領域にフォーカスした図が少ない。写真の影が強く、奥まったところが暗て見にくいことがある。解剖されたものもごちゃごちゃしている。

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