手袋を買う

解剖学実習ではゴム手袋を着用する。薄手のニトリル手袋から、試用して手に合うのを選ぼう。

条件

解剖実習で使用する手袋にはいくつかの条件がある。

 

形状

  • 薄手で伸縮性に優れ、手にフィットすること
  • 丈夫であること
  • パウダーなし
  • 滅菌されている必要はない

装着しやすくするためのパウダーは、汚染やアレルギーのもとになるので医療用では敬遠される。

 

素材

  • ニトリル:合成ゴム。耐油性。アレルギーが起きにくい
  • クロロプレンゴム:合成ゴム。耐油性。アレルギー・過敏症が起きにくい。ニトリル手袋でも症状がでた場合
  • (非推奨)ラテックス:天然ゴム。耐油性に劣り、脂肪でふやけてしまう。人によりラテックスアレルギーを生じる。
  • (非推奨)PVC:プラスチック。安価。耐久性・伸縮性に劣る。細かな作業には向かない。
  • (非推奨)ポリエチレン:プラスチック。安価。伸縮性がない。細かな作業には向かない。

 

用途別カテゴリー

用途に応じて製品のカテゴリーがある。解剖の作業で使えるならどれでもよい。

  • 食品衛生用:食品製造業や食堂で用いられ、細かな作業に向く。食品衛生法適合品
  • 医療向け:検査、採血、ケアなどの医療関係の細かな作業に向く。薬機法適合品。承認番号が付いているので医療用と確認できる
  • 手術用:個包装され滅菌されている
  • 半導体作業用:半導体工場などで用いられ、細かな部品の扱いに向くよう、グリップ性に優れる
  • 一般用

 

サイズの目安

指先が余っていないこと。自然に手を開いた状態でたるみやシワが生じないこと。締め付けられず手をよく動かせること。

 

主な製品

入手しやすい製品をいくつか紹介しよう。サイズに関しては、メーカーごと、製品ごとに異なるので、試用を勧める。価格は入手経路により大きく異なることがある(特に医療用)。割高なのを掴まないよう、価格調査されたい。

 

ベルテ788

ミドリ安全製の食品産業向けニトリル手袋。加硫促進剤が使われていないので、ふつうのニトリル手袋よりもアレルギーが起きにくい。728(100枚入り)は薄手、722(100枚入り)と788(200枚入り)は極薄手。同社でも医療用と食品用とではサイズ体系が違う。サイズ選びは必ずサンプルで試してから。

 

メディカルベルテ7300

ミドリ安全製の医療用ニトリル手袋。加硫促進剤が使われていないので、ふつうのニトリル手袋よりもアレルギーが起きにくい。7300はスカイブルー、7400はホワイト。2021年度群馬大医学部生協で取り扱い予定。2,690円(税込み;250枚入り)。同社でも医療用と食品用とではサイズ体系が違う。サイズ選びは必ずサンプルで試してから。(薬機法承認・届出

 

セーフタッチ

セーフタッチ ニトリルグローブ パウダーフリー Sサイズ

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メディコムジャパンの医療用にトリル手袋。米国サイズ。日本人にはワンサイズ小さいのが合うだろう。(薬機法承認・届出

 

ラベンダーニトリル

ハリヤード・ヘルスケア製の医療用ニトリル手袋(250入)。米国サイズ。日本人にはワンサイズ小さいのが合うだろう。(薬機法承認・届出)

 

ニトリスト タッチ

ショーワグローブ製の薄手のニトリル手袋。

 

オカモト エコソフトグローブクロロプレン

オカモト製のクロロプレン手袋。伸縮性に優れ、アレルギーを起こしにくい。

 

なぜ青いのか?

食品加工で使われる場合、手袋が破れて破片が食品に混入したときに、破片を発見しやすいように。

 

アレルギーが生じたら

ニトリル手袋やクロロプレン手袋でも反応がでるようなら、コットンなどの薄い「インナー手袋」を併用するとよい。