グレイ解剖学アトラス 原著第2版

2015.10.27 eLibraryについての記載を更新。コンテンツがアップデートされたようだ。文字にマーカーを入れられなかったが、入れられるようになった。原色が強くなっていた色調が正しくなった。

検討のポイントは2点:『グレイ解剖学』自体、多くの図が使われているので、それを使っているひとが出自の同じ『グレイ解剖学アトラス』を書棚に加える利点はあるだろうか。また、同じくCGを使ったイラストのアトラス『プロメテウス解剖学 コア アトラス』と比較してどうだろうか。

グレイ解剖学アトラス』の特徴は次の4つだ。

プロメテウス解剖学 コア アトラス』を『グレイ解剖学』と使うと、用語の差違に戸惑うことがある。短期間に多くを学ぶので、こうしたことも煩わしい。一方、『グレイ解剖学』と『グレイ解剖学アトラス』とは原著者、訳者、出版社が同じなので、章立てや用語が揃っている。微妙な違いによる煩わしさがない。

グレイ解剖学アトラス』の図は、『グレイ解剖学』と同じイラストレーターたちが描いたものだ。重複するモチーフは多いが、より詳しく描かれ、タッチにもリアリティーがある。レイアウトには見開きが多用され、迫力がある。

比較のため、『グレイ解剖学アトラス』から図をいくつか選び、それに似た図を『グレイ解剖学』の原著第3版から探してみた。文字が日本語のが前者、英語のが後者だ。

胸部から、縦隔右側面の図。『グレイ解剖学アトラス』ではより多くの構造が描き込まれ、向かいのページの3D CT像と対比できるようになっている:

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縦隔横断面のCTと解剖との対比:

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このように、『グレイ解剖学アトラス』には解剖と医療画像とを対比できる図が多い。解剖実習でCT像を参照するだけなら、CTの教科書はなくても済むかもしれない。『プロメテウス解剖学 コア アトラス』に医療画像がほとんどないのと対照的だ。

鼠径管の図は見開きになっていて、ほぼ原寸大:

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腹部の内臓の神経:

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筋のまとめの表は色分けで見やすくなっている。見開きで模式図もある:

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グレイ解剖学アトラス』には、Elsevier eLibraryの電子書籍がついている。Mac/PCのブラウザ(Flashが必要)や、iOS/Androidのアプリで読める。

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グレイ解剖学』などこれまでのエルゼビアの教科書ではStudent Consult上の電子書籍にアクセスできたが、いずれも英語の原著だけで日本語版ではなかった。Elsevier eLibraryのは冊子体と同じ日本語版だ。

Student Consultの電子書籍はリフロー型(画面に合わせて文字が流し込まれる)だが、Elsevier eLibraryでは冊子体と同じ紙面が表示される。端末の画面が小さいと見づらい。

iOSアプリとMac/PCでは、マーカーと付箋を入れられる。

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Chromeで電子書籍版をオンラインで読む。
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iOSアプリ

原著の『Gray’s Atlas of Anatomy, 2e』についている電子版はStudent Consultだ。eLibraryかStudent Consultかは、適宜選ばれていくらしい。

Elsevierは電子書籍を複数のフォーマットで提供している。Elsevier自身ではStudent Consult、eLibrary、evolveが、他社ではKindle、Nookなどがある。Elsevierの書籍やジャーナルはXMLで記述されていて、そこからいろいろなフォーマットに書き出すようになっている。

以前指摘した脳神経ⅣとⅥの走行の間違いはまだ修正されていない。

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頭蓋底の脳神経の図のうち、ⅣとⅥの走行が間違っている(右の図)。