心臓の発生の復習ポイント

難しかったかも知れないポイント。ここが試験に出るといっているわけではない。

  •  完全大血管転位
    • 大動脈肺動脈中隔が捻れず、まっすぐにできたため
    • 肺循環と体循環との間に何らかのシャントを合併していないと生存できない:心室中隔欠損や動脈管開存など
  • ファロー四徴症
    • 大動脈肺動脈中隔が肺動脈側に偏ってできたため
    • 右心の流出抵抗が大きいため、合併する心室中隔欠損を通る右左シャントになる
  • 心房中隔欠損
    • いつどこになにができるかおさえる:一次中隔、一次孔、二次孔、二次中隔、卵円孔
    • 卵円孔開存のタイプが多い
    • 左心のほうが圧力が高いので左右シャント
  • 心室中隔欠損
    • 心奇形で心室中隔欠損が最も多く、そのうちでも膜性部欠損が多い
    • 左心のほうが圧力が高いので左右シャント
    • アイゼンメンジャー症候群に注意
  • 動脈管のはたらき
    • 右心房から右心室への流入は全体の7割で、残り3割が卵円孔から左心へ
    • 3割は、酸素のため。動脈管より末梢で静脈血が混ざるので、上半身の方が早く発育
    • 7割は、それがないと右心が発達しないから
    • 胎生時は肺が開いていないので、循環抵抗が高い。右心からの拍出量ぜんぶは受けられないので、肺動脈から大動脈へ血流を逃がしている。そのバイパスが動脈管
  • アイゼンメンジャー症候群
    • 心室中隔欠損など、左右シャントの心奇形で生じ得る
    • 肺への流入量が過大な状態が続くと、肺循環に器質的な障害が生じ、循環抵抗が増加。そのために右心圧が左心圧より高くなり、右左シャントを生じてチアノーゼになる
    • 肺循環の障害は不可逆。もとのシャントを外科的に閉じると、肺循環抵抗が高いままなので右心不全になり病状が却って悪化する
    • 奇形の程度をよく評価、追跡し、必要なら外科的処置によりアイゼンメンジャー化を未然に防ぐ
  • 大動脈弓の発生と反回神経
      • 第3,4,左6大動脈弓が残る
      • 下喉頭神経は心臓が頚部にあるときから第6大動脈弓に引っかかっている
      • 心臓が頚部から胸腔内に下降するときに下喉頭神経がいっしょに引きずられて「反回」する
    • 左第6大動脈弓は動脈管になる
    • 右第6大動脈弓は消えるので、その上の右第4大動脈弓(右鎖骨下動脈)に引っかかる

 

難病の患者に対する医療等に関する法律第5条第1項に規定する指定難病(心血管系)
番号 病名
207 総動脈幹遺残症
208 修正大血管転位症
209 完全大血管転位症
210 単心室症
211 左心低形成症候群
212 三尖弁閉鎖症
213 心室中隔欠損を伴わない肺動脈閉鎖症
214 心室中隔欠損を伴う肺動脈閉鎖症
215 ファロー四徴症
216 両大血管右室起始症
311 先天性三尖弁狭窄症
312 先天性僧帽弁狭窄症
313 先天性肺静脈狭窄症
314 左肺動脈右肺動脈起始症

 

  • 2022/10/28 2022年版
  • 2021/11/1 2021年版