毒舌ツクモ神の外科道具絵巻 — 手術器械の正しい使い方がよくわかる!
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手術器械のカタログとかイラスト入り解説に萌えるすべての人に。
文章担当、説明図担当、挿絵担当の3名で制作された。いずれも形成外科医である。
器械や手技は小手術や形成外科で使われるものが中心にはなる。
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「小説風本格手術書」
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はじめに
スタッフが逃げ出しそうな 外科器械を放り込まれた変な箱の憑神の「ツクモ」さん、若い外科医の「ネズタク」、同期のオペ看の「ショウコ」。
ショウコは京都弁を話す設定になってるけど大阪弁かもしれず、人物紹介でのイラストは盛られたインスタ風(本文中ではお団子ヘアのうりざねがお)。
ツクモさんは、もっぱら外科器械と手技のウンチクを垂れる。リアルワールドでオーベンに始終そんなことをいわれたら辞めたくなるが、それを憑神にやらせてワンクッションおいている。
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変な箱「ツクモ」さん、若い外科医の「ネズタク」、同期のオペ看の「ショウコ」
解剖学実習にも役立ちそうなポイントをいくつかみていこう。(本学で使っている『グラント解剖学実習』も参考に。)
本の前半は基礎編。メスやハサミなど、代表的な器械が論じられる。
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メスはペンを持つように
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ちょうど真皮と皮下組織の堺まで切る
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剪刀のいろいろ
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剪刀を剥離に使う
剥離のポイントは、外科も解剖も同じだ。膜を意識して、膜と膜の間の疎性結合組織のところを剥がす。剥離を恐る恐るやるのは、遅いだけで丁寧なのとはちがう。自分が何をしているかわかってないと、剥離がヘタなだけで時間ばかりかかる。
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膜を剥がす
ハサミで剥離するんだといってもなかなか伝わりにくいけれども、ハサミで剥離して切離していく手術の例をYouTubeでみたらよくわかるかもしれない。肘部管症候群の手術で、肘部管を開いて尺骨神経への圧迫を解除し、続いて尺骨神経の位置をずらしている。筋膜や肘部管をメッツェンバーム剪刀で剥離して切るところに着目しよう。
鉗子も剥離に使うことが多いけれども、それは、剥離後に把持するから。解剖でもそういうタイミングはある。例えば腰神経叢は、剥離用の長いケリー鉗子で筋をほぐしたら早い。けれども、そういう鉗子は高価なのである。
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剥離の次に何をするかで、鉗子か剪刀かが決まる。
本の後半は実践編。文章部分のスタイルが小説風から台本風になる。基礎編で基本を掴めていたら、この形式の方が読みやすくて手っ取り早い。
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台本風
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