Grant’s Atlas of Anatomy, 15E

Grant's Atlas of Anatomy (Lippincott Connect)

Grant's Atlas of Anatomy (Lippincott Connect)

Agur B.Sc. (OT) M.Sc PhD, Anne M. R., Dalley II PhD FAAA, Arthur F.
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グラント解剖学図譜 第7版

グラント解剖学図譜 第7版

坂井 建雄
20,449円(02/25 16:47時点)
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1943年から続く『Grant’s Atlas of Anatomy』 が改訂され、第15版になった。3つの点で、前版から大きく変更されている。

  • 章の順番が『Grant’s Dissector』と統一された
  • 前版から進められていたイラストのリマスター作業が完了した
  • Lippincott Connectの電子版が付属された

その他にも、細かな改変が施されているようだ。

本書の特徴は5つある。

  • 実物を写実的に描いて制作された解剖図。正確性に秀でている
  • 模式図が適宜使われている
  • 体表の写真、医用画像も使われている
  • 臨床で重要になるポイントもカバーされている
  • 電子版付属

Wolters Kluwer社の教科書には、北米版と、インターナショナル版がある。インターナショナル版は表紙が簡略化され少し安価だが、中身は同じ。北米版にはペーパーバックとハードカバーがある。大きくて厚い本なので、ペーパーバックを本棚に立てておくと、へにゃっと曲がってしまうことがある。すこし割高でもよければ、ハードカバーの方が曲がりにくい。

現在の日本語版第7版は原著第14版の翻訳であり、改訂が待たれる。その際には、Kindleや医書.jpでの電子版の販売もお願いしたい。教科書と違ってアトラスには文章が少ない。原著の方が割安で内容が新しく、電子版も付属しているから、英語に抵抗がなければ原著を使うのが良い。

 

前書き

 

この版から、章立てが『Grant’s Dissector』と統一された。予習や実習で参照するときに使いやすくなった。

 

Grant’s Dissector (左)とGrant’s Atlas of Anatomy

 

第14版からコンピュータグラフィックスを使った図版のレタッチと彩色が進められていたが、この第15版でそれが完了した。

『Grant’s Atlas of Anatomy』の初版の図のほとんどは、Dorothy Foster Chubb氏が1年間で仕上げたもの。実際の解剖標本を木炭画で細密に描いた。その後、Nancy Joy氏、Elizabeth Blackstock氏などのイラストレーターが図版制作を継続した。比類なく精密なこれらのイラストは現在の版でも使われている。

初期の木炭画は、写真で複製して彩色する方法で、後にカラー化された。近年では原図の損傷が無視できなくなったため、改めて原図の修復とアーカイブ化がなされた。デジタル技術で原図がレタッチされ、統一されたカラーコードに沿ってコンピュータグラフィックスで改めて彩色された。それがこの第15版の図版である。

初期の木炭画以降も、多くのイラストレーターが図版を追加してきた。最近の図版には、原図をコンピュータグラフィックスでトレースしたり、初めからコンピュータグラフィックスで制作したイラストも使われている。ただし、初期の木炭画の迫力には及ばないようだ。

いずれにしても、オリジナルの図版の価値をリスペクトしている姿勢が好ましい。関係者が、図版に対する審美眼を欠いていると、解剖学アトラスは劣化していくから。

 

コンピュータグラフィックスでレタッチ、彩色された

 

時代を超えて制作されたイラスト。左ページの大きな図はNancy Joy氏作、右はDorothy Foster Chubb氏作で、オリジナルの木炭画にデジタル彩色されたもの。小さな図にはサインがないが、最近の図のようだ

 

左は原著第14版の日本語版、右は原著第15版。デジタル彩色によって色調が鮮やかになり、図版間で配色が統一された

 

体表解剖や画像解剖も多く取り入れられていて、卒後も実用になる。図のテーマや解説文には臨床で役立つポイントがふんだんにある。

 

上肢骨の体表から触れられる目安。体表の写真に骨格のイラストが重ねられている。

 

乳腺・乳房の解剖を体表写真と解剖図の組み合わせでみる

 

解剖図と医用画像で乳腺を学ぶ

 

上肢の骨格の図と、手のX線写真

 

手根骨のイラストとX線写真で、手根骨の骨化を使った小児の成長の評価を学ぶ

 

乳腺周囲のリンパ路。癌の診療で重要になるポイント

 

第15版から、電子書籍へのアクセスコードが付属するようになった。冊子体と同じ内容に加えて、Acland’s Video Atlas of Human Anatomyからとられた動画もある。動画は古いものらしく、画質は良くない。

 

Lippincott Connect上に電子コンテンツがある

 

スクラッチコードを使ってアクセス

 

ブラウザを使って電子書籍を読める。画面が大きい端末(iPadやパソコン)の方が見やすい

 

動画もある

 

同じコードを使って、thePointのコンテンツにもアクセスできる(有効期間2年間)。あるのは動画。

 

thePointには動画がある

 

動画の例:脊髄の解剖