基礎医学の中で組織学は医師には顧みられることの最も少ない科目だ。しかし、組織像が鑑別診断や病期判定の決め手になることは多いし、CBTや国試への出題も少なくない。すなわち、組織学の授業の目標は組織標本を「読める」ようになることだ。したがって、教科書選択の要点は次のようになるだろう:
- 高品位な光学顕微鏡写真が多数あること
- 文章や写真だけではわかりにくい局面で適宜模式図があること
- 形態を意義付ける機能面、分子面の記述がしっかりしていること
- 新しい知見がフォローされていること(免疫系が目安になる)
図譜が一緒になり、細胞生物学や分子生物学まで含む教科書が主流だ。病理学までスコープを広げた教科書もある。
上の要点にかない、ちょうどよいボリューム。図版が詳しい。レビュー記事
歴史のある教科書。原著の改訂ごとに邦訳がでている。上の要点にかなう。写真の点数は多くはないが、場面が的確で不足を感じることは少ないだろう。レビュー記事
コンパクトでわかりやすい。
上の要点にかなう。『組織細胞生物学』より詳しく、光顕写真が多数ある。原著のレビュー記事
バーチャルスライドが付録として利用できるのが本書の特徴。紙面は要約的な解説と豊富な美しい光学顕微鏡写真で構成されている。その写真の一部がバーチャルスライドになっている。模式図はない。レビュー記事
Geraldine O'Dowd, Phillip Woodford, Barbara Young
10,450円(11/25 17:15時点)
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アトラスに多めの解説をつけたスタイル。写真が高品位。顕微鏡実習中心の授業ならこれでよい。レビュー記事