現在使われている規格の中には、メートル法のほか、インチをもとに決められたものも少なくない。これらを使うときインチ定規があると換算の手間がない。しかし、日本国内では入手しにくい。
一般の文具店にはないが、ネットショップやインチネジ専門店でインチ定規を購入できる。「参考値であり計量器ではない」などとの表示がされていることがあるが、目盛りが不正確だというわけではない。
インチ定規の目盛りは、1/16・1/32・1/64インチで刻まれているのが一般的。電子工作で必要な1/10・1/20インチ刻みのは少ないので注意。



インチ定規が入手しにくい理由は、計量法で販売・陳列が禁止されているから。「参考値」との表示はこれを回避するため。
(非法定計量単位による目盛等を付した計量器)
第九条 第二条第一項第一号に掲げる物象の状態の量の計量に使用する計量器であって非法定計量単位による目盛又は表記を付したものは、販売し、又は販売の目的で陳列してはならない。第五条第二項の政令で定める計量単位による目盛又は表記を付した計量器であって、専ら同項の政令で定める特殊の計量に使用するものとして経済産業省令で定めるもの以外のものについても、同様とする。
1 inch = (正確に)25.4 mm
1950年代末にメートル法を基準に定義された。
インチをもとにした規格の例:
- 解像度の単位DPI(dot per inch)、DPL(dot per line):1インチあたりの点や線の数
- 米国の紙のサイズ:レター(8½×11インチ)、リーガル(8½×14)、タブロイド(11×17)など
- 印画紙:L(3½×5)、六つ切(8×10)など
- ディスプレイのサイズ:対角線の長さをインチで表現される
- 写真フィルムや撮像素子のサイズ:歴史的にインチ法とメートル法が混在している
- 電子部品、基板:⅒インチ単位、1/20インチ単位、ミル単位(1/1000インチ)で接点が設計されることが多い
- インチネジ:海外の装置、航空機にはインチネジが使われることがある