Rグラフィックスクックブック 第2版
Rで美しいグラフを描くための用例集。使い方は:
- 多数の例から参考になりそうなのをみつける
- 説明とコードを読んで理解する
- 自分のグラフに応用する
Rをインストールすると付いてくるbaseパッケージだけでもいろいろなグラフが描けるけれども、美しいグラフを描くのは難しい。本書で主に扱われているのは、ggplot2というグラフ描画のパッケージで、tidyverseパッケージに含まれる。tidyverseの作者は、Rの神とも呼ばれるハドリー・ウィッカム氏。
ggplot2を使うと、デフォルトの状態でもグラフを美しく描けるし、いろいろに工夫してプロフェッショナルなかっこいいグラフも作れる。
ただし多機能なものの常だけれども、何をどうしたら思い描く結果を得られるかが難しい。ggplot2を体系的に全部学ぶのも面倒だ。本書はそういうときの「逆引き辞典」として役立つ。本書で解法がみつからなければ、ネットを探そう。
本書が役立つには、いくつか前提がある。
- Rを使える
- RStudioを使える(必須ではないが、使えないとやってられない)
- ggplot2とdplyr を使える
本書にも簡単な説明はあるが、足らなかったら一旦適当なコーステキストをこなそう。
本書の第1章は、dplyrとggplot2のごく簡単な説明。必要なパッケージのインストールと、データの読み込み、パイプ演算子。本書で使われる範囲のことが分かるかどうかの確認程度。
第2章はプロットの基本。基本的なグラフに関して、baseパッケージのplot関数とtidyverseのggplot2とが対比される。
第3章以降が、いろいろなグラフの実例集。グラフを作っていて、どうしたらいいのだろうと思ったときに、似たような例を探せる。取り上げられている例は、実際にggplot2を使っていて必要になるものが多い。例えば、箱ひげ図は分布にかかわらず使うものだけれど、標準分布が前提の平均値を重ねておきたいことはよくある。また、ggplot2では凡例の順は自動的にアルファベット順になるけれども、感覚的にしっくりしないことは多い。その順を任意に変えるのは一工夫要る。
本書には付録がある。付録Aはggplot2の概説。ごく簡単なので、確認程度に。
付録Bはこの日本語版だけにある付録で、日本語フォントの取り扱い。ggplot2をそのままで使うと日本語が文字化けする。macOSとWindowsとにわけて、日本語フォントの扱い方が説明される。しかし、本書の説明だけだと、ggsave()によるPNGでの保存はできるが、PDFの保存ではエラーになる。
本書にはPDF版(DRMなし)もある。用例を探すには冊子体の方が便利かも知れないが、コードをコピペするのにはPDF版の方が簡単だ。
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