ねじ子のヒミツ手技#

『ねじ子のヒミツ手技』シリーズの3冊目。『ねじ子のヒミツ手技 1st Lesson』と『ねじ子のヒミツ手技 2nd Lesson』は看護師や研修医に役立つ基本的な内容だったけど、3冊目は少しだけ上級者向け。その意味の『#』(半音高い)。
同人誌『平成医療手技図譜』の『手術編 改』と『ICU編』がまとまっていて、少しの加筆が加わっている。臨床実習で手術室に入るときには、前もって読んでおこう。スタッフルームのマグカップに縛り付けられている糸を温かい眼でみられるはずだ(違

『平成医療手技図譜』の手術編改とICU編から『#』に。商業誌化が期待されるのは、残りあと『精神編』と『神経編』

帯には『パナケイアの手』の天才高校生医師が
もくじ:
- 清潔と不潔の概念
- ガウンテクニック
- 手術器具の名前
- 糸結び
- 器械縫合
- 包帯交換
- ICUってどんなとこ?
- 輸血
- 人工呼吸器
- 脳死判定
「序章」はない。「この本のよみかた」というのが最初に1ページあるだけ。

[この本のよみかた」から(下線は評者)
他の「ねじ子本」同様、全編がマンガ(イラスト)と手描きの文字でできている。細かなコツやポイントまで絵で表現され、自在に強弱の付けられた手書き文字が添えられていて、大切さの遠近感を捉えやすい。
ポリクリの学生や研修医にもとても役立つ。先輩研修医にも「ねじ子本」を勧めるひとは少なくないはず。
清潔と不潔
医療をやるにあたってまず大切なのが「清潔」と「不潔」。この理屈が分かって実技を練習する。
微生物学の実習が重要になる。群馬大では3年のとき。がんばろう。

「清潔・不潔」はギョーカイの「隠語」なので注意! こんな時の変な空気は、文字よりもマンガのほうがずっと伝わりやすい

概念が分かった上で練習しよう

清潔・不潔も「キワ」が大切

消毒薬の効く効かないと用途。どれも芽胞には効かない
ガウンテクニック
「清潔・不潔」がわかったら、ガウンテクニック。手洗いの仕方は病院のルールに従おう。

胸毛(基本)〜オペ室の手術着は襟元が広いのでそうなる

手洗い(古典)

手洗い(ラビング法)

しゅんしゅんクリニックP(群馬大医卒)ぢゃないよ🙌🏻
手術器具
手術器具にはいろいろ種類があって、人名が付いていて、術者の好みもあって、ややこしい。エライ先生が自分好みのツールに自分の名前を付けていたりする。「器械だし」という役割担当もある。研修医がやることも。

剪刀は剥離の道具

剥離鉗子。「鈍的剥離」は外科でも基本手技。マンガで細かなコツがわかりやすい

持針器。これもいろいろあって…

電メス。手術中に「ピー」っと鳴るやつ
糸結び
外科の先生はいつも練習している。

基本の両手結び
器械縫合
研修医でも「先生、ナート(縫合)お願いしま〜す♡」と看護師さんに言われる。できると褒めてもらえる。まごつくと、あとで何かいわれる。

縫合
包交
包帯交換には、毎日患者さんと顔を合わせる意義もある。専用のテープを貼りっぱなしのウエットドレッシングが一般的になってきてはいるけれども。

包交車

方向の基本もやはり清潔操作
ICU
集中管理がICU。ときに修羅場になる。

ICUの患者さんにささるいろいろな管

出血を止血しながらの輸血
人工呼吸器
人工呼吸器の章は本書で一番ページ数が多くて、全体の1/3近くある。器械の種類や設定や情報が多いから。

設定がたくさんあるけど、落ち着いて…

器械の設定
『平成医療手技図譜』には入ってなかったもののひとつ、「抜管」。

抜管。大切なことがちゃんと書いてある(下線は評者)
脳死判定
臓器移植に関わらないにしても、脳死判定はできないと。
Special Thanksにいれていただきました。ありがとうございます!
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