『平成医療手技図譜』シリーズ

森皆ねじ子先生(医師で漫画家)から同人誌『平成医療手技図譜』シリーズを送っていただいたので紹介しよう。

  • 平成医療手技図譜【精神編】(2016/5/5 コミティア)
  • 平成医療手技図譜【ICU編】(2014/12/30 冬コミ)
  • 平成医療手技図譜【神経編】(2011/12/31 冬コミ)
  • 平成医療手技図譜【診察編】(2010/8/15 夏コミ)

追記:2016/6/14、本学医学図書館に全9巻が所蔵された。全巻揃っている大学図書館はここだけ

ほぼ全編がイラストと手書きの説明文からできていて、専門書のお堅い文章ではなかなか伝わりにくいような機微がわかる。

いずれもコミケなどでしか入手できないが、【診察編】と【神経編】は医学書院から書籍化されている(レビュー)。他編も期待だ。

本学図書館には『平成医療手技図譜』シリーズは見当たらないが、所蔵している他学の図書館から取り寄せられるかもしれない。

平成医療手技図譜【精神編】

【精神編】はシリーズ最新刊。統合失調症、双極性障害、うつ病が取り扱われる。

精神科だから実際には「手技」ではないけれども、シリーズの特徴が最も活かされている。精神科の微妙な症状を文章で表すのは難しい。写真や動画だとしても説明なしには要点を読み取れない。これがイラストやマンガだとよくわかる。

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統合失調症の「全体の印象」。診断基準としては規定されにくいが、イラストにすると、ああ見たことあるかも、となる。
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双極性障害の躁状態のようす。「社会的に破綻」するまでがマンガで表現されている
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うつ病の症状。

精神科の薬物療法は他科の医師にはむずかしい。薬の種類が多いし、投与の組み立て方も一筋縄ではいかない。これらもイラストで簡潔に表現される。

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抗精神病薬の作用機序
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精神科の薬の使い方のコツ

本書に入りきらなかった神経症などは、続く【心療内科編】で取り扱われる予定らしい。

平成医療手技図譜【ICU編】

【ICU編】で扱われるのは、輸血、人工呼吸器、脳死。細心の注意を要する分野だが、緩急自在なイラストと手書き文字で、要点がわかりやすい。

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輸血の前の血液型のマッチング。取り違え事故は重大な結果になる。
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人工呼吸器がむずかしいのは、メーカーや機種ごとにルールがバラバラなせい。
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脳死判定の要件。専門医2名以上という要件は見落とされがちで、判定基準にも記載されてないことがあるが、リアルライフでは重要。