ラーセン人体発生学とグレイ解剖学アトラス

『ラーセン人体発生学』と『グレイ解剖学アトラス』それぞれの原著が改訂された。

いずれも Student Consult 付き。紙面の全文に加え、ビデオが添付されている。『ラーセン』のは発生過程のアニメーション、『グレイ』のは解剖手技の実写ビデオ。

Larsen's Human Embryology, 5e

Larsen's Human Embryology, 5e

Schoenwolf PhD, Gary C., Bleyl MD PhD, Steven B., Brauer PhD, Philip R., Francis-West PhD, Philippa H.
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Larsen’s Human Embryology, 5e” では、発生生物学からの知見が大きく加筆、改訂された。

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二次心臓野は2009頃から話題になった

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ノード流による左右軸決定に関するメカノセンソリーモデル

臨床との関わりもアップデートされ、最近の3Dエコーの紹介もある。

3Dエコーによる胎児像

3Dエコーによる胎児像

分量が増え、文章もより複雑になった。文字が小さく、行間も狭い。図表の絶対数は多いが、文章の理解を助けるような模式図が足らないように思われる。

医学科の解剖学の授業内で学ぶには大変すぎるかと心配になる。

参考文献が選抜されているが、そのために記載内容の由来を探しにくい。記載内容の裏付けをとるのに困る。院生レベル以上の学習には不便だ。

英語で読むなら、“Human Embryology and Developmental Biology, 5e” のほうがより整理されていてよいのではないか。発生生物学についてきちんと学ぶなら、“Developmental Biology” のほうがよい。

読者のターゲットを見失ってはいないだろうか。

Gray's Atlas of Anatomy, 2e (Gray's Anatomy)

Gray's Atlas of Anatomy, 2e (Gray's Anatomy)

Drake PhD, Richard L., Vogl PhD, A. Wayne, Mitchell MB BS FRCS FRCR, Adam W. M., Tibbitts, Richard, Richardson, Paul
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Gray’s Atlas of Anatomy, 2e” では、放射線科学からの図が多く追加され、解剖学図と対比して学べるようにレイアウトされている。本学のCT課題で、画像の提示の仕方の参考にもなるだろう。

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腹部内臓の解剖図、体表への投影図、注腸造影X線写真、造影CT冠状面像を対比

章末には主要な筋や血管などをまとめた表と模式図があり、勉強の役に立ちそうだ。(試験問題にも使えそうだ。)

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胸部の筋のまとめ

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大動脈の主要な枝のまとめ

 

Gray’s Anatomy for Students, 3e” 自体、図が豊富なので、旧版の“Gray’s Atlas of Anatomy” ではあえてそれを購入するメリットを見いだしにくかった。新版なら買う価値はあるだろう。『プロメテウス解剖学 コア アトラス』を使うときにしばしば困るような、用語の細かな違いに惑わされる心配が少ないのもよい。