Histology and Cell Biology, 4e

組織細胞生物学』の原著が第4版に改訂された。

組織学の教科書をまとめた記事で、選択の目安として下の4つを挙げた。

  • 高品位な光学顕微鏡写真が多数あること
  • 文章や写真だけではわかりにくい局面で適宜模式図があること
  • 形態を意義付ける機能面、分子面の記述がしっかりしていること
  • 新しい知見がフォローされていること(免疫系が目安になる)

Histology and Cell Biology』はこれにかなうテキストの一つだ。加えて、病理学の基本的なコンセプトも組み入れられている。組織写真が疾患の理解や重症度診断のキモになることは多く、CBTや国試でもしばしば出題される。組織学の授業でも病理学まで視野を広げておくことは、組織学を的確に身につけるのに重要だ。調査によると臨床医には最も軽んじられている組織学だが、学ぶ方向性を定めれば役に立つはずだ。

美しい組織写真が模式図とともにならべられる。ときどき、古めのデジカメで撮影したらしい、画素の目立つのもあるが(下の右端)、大半は美しい写真だ。

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脾臓の構造は組織標本だけいくらながめてもわかるはずもないが、的確な模式図がその理解を助ける。

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臨床の新しめのテクノロジーも取り入れられている。網膜の構造の説明に共焦点眼底鏡の画像が使われている(下の右2点)。本学眼科の得意技術でもある。

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眼底フルオレセイン・アンジオグラフィー。微細血管の病変を検出するための検査で、CBTや国試でもしばしば見かける。

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腫瘍の良性と悪性との違いは病理の基本の一つ。

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ネクロトーシス(pは発音しない)は2011年に生まれた、まだ新しい概念だ。

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Student Consult付き。

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日本語版の『組織細胞生物学』が2002年刊の原著第1版の翻訳で、改訂が遅れている。日本の医学生諸君は欧米より13年遅れた組織学を学ぶことになる。原著にトライしてほしい。

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