スマホ/タブレットに入れる治療薬の本はどれがよいか

臨床実習や研修では治療薬のマニュアル本があると便利だ。白衣のポケットには入りきらないボリュームなので、電子版を使いたい。どれがよいか考えよう。

今日の治療薬か、治療薬マニュアルか

便覧と解説の両方を含んでいてほしいので、『今日の治療薬』、『治療薬マニュアル』の、いずれもisho.jpが、第1、第2選択になろう。どちらがよいだろうか? 『治療薬マニュアル』の詳しい解説は勉強になる。ちょっとした合間に読んでいきたい。『今日の治療薬』は、検索履歴が便利。かいつまんだ解説は、処方しているときの確認によい。

isho.jp版にはお試し版があるので、それをダウンロードして使ってみるのがよい。同じ薬、同じ範疇の解説をいくつか決めて、比較してみよう。現場でも使って使い勝手を試そう。

  • 実習先・勤務先にある冊子体と同じのを選ぶ
  • それと違う方を選ぶ
  • 毎年交互に買う
  • 両方買う

機関購入のコンテンツ

所属の大学や病院で、冊子体を大量購入していたり、ネット版のライセンスがあるかもしれない。まずそれをチェックしよう

たとえば、群馬大学医学図書館には医学書院の「今日の診療プレミアム」のライセンスがあり、そこに『治療薬マニュアル』も含まれる。昭和キャンパスのネットワーク内なら無料で使える。(同時ログイン数≦5;使い終わったらログアウトを忘れずに)

 

「今日の診療プレミアム」から

 

今日の治療薬

『今日の治療薬』は、治療薬のマニュアル本のなかでは最もよく売れている。冊子体と電子版は別売り。電子版には、isho.jp版と m2plus版とがある。 isho.jp 版の方がおすすめ

isho.jp 版の内容は冊子体と同じ。表示はiPhoneからiPadまで画面に合わせて最適化される。解説を読んで治療薬について勉強するのにもいい。コンテンツは端末にダウンロードされるので、インターネット接続できない場所でも使え、通信量をムダにすることもない。レビュー

2021年版では、COVID-19に関する情報が少し追加された(記事1本、レムデシビル、特記事項)。

薬のページから解説のページにリンクがあるのが、ちょっと概要を押さえたいときに便利。解説が要約的で、しばしばまとめの表があり、手短に概略を得るのによい。表のウエイトが大きいが、ワンタップする手間が必要なのが残念。インラインで表示してもよさそうだが。また、リンク先が大きなくくりのトップのページで、個々の薬の細かな範疇の解説ではないので、ページを繰る手間が増える。

電子版の発行は3月で、冊子体の発行の1月より2か月遅れる。

 

トップ

 

COVID-19の解説

 

2021年版で追加されたレムデシビル

 

COVID-19に関する特記事項が追加された

 

逐次検索なので、うろ覚えでも大丈夫

 

検索履歴がでるので、いつも使う薬にアクセスしやすい

 

ペニシリン

 

薬剤の解説付き

 

m2plus版は冊子体のうち便覧部分のみ収録。解説部分はなし。文字が詰まっていて、読みづらい。

 

今日の治療薬2019 m2plus版

 

治療薬マニュアル

治療薬のマニュアル本のなかでは、解説が最も詳しい。解説を落ち着いて読んで学ぶのに良い。本のボリュームも最大。

冊子体にWeb版のライセンスが付属している。Web版の内容は冊子体と同じ。解説を読んで勉強もできる。ただし、そのライセンスが発行年の翌年1月末で切れ(買ってから1年ではない)、以降は全く使えなくなる。データの更新だけできないというレベルではない(学生のみ翌々年までの延長キャンペーンあり)。しかも、冊子体発行時のWeb版は前年度版で、同年度版がみられるのは4月から。また、オフラインでは使えない。

冊子は買わずに、isho.jp版のアプリを買った方がよい。コンテンツやデザインはWeb版の「今日の診療プレミアム」を踏襲している。アプリのコンテンツは売りきりのダウンロードで、ライセンス切れの心配はないし、オフラインでも使える。句読点の幅や行間が広く、色分けされたレイアウトが美しく、読みやすい。

アプリ版でも詳しい解説が読めるのが良い。個々の薬にも「臨床解説」という追加の説明があるのがよい。

検索履歴がでないのは残念。

iPadでは「見出しナビ」が左側に、本文が右側に表示される。マルチタスク機能を使えば、Safariなどで他の情報もいっしょにみられる。iPhoneでも「見出しナビ」をタップすると、見出しがポップアップされる。文字の大きさを簡単に変えられる。

電子版の発行は3月で、冊子体の発行の1月より2か月遅れる。

 

トップに目次がでる

 

 

逐次検索なので、うろ覚えでも大丈夫。検索履歴はでない

 

 

レムデシビル

 

ペニシリンGカリウム

 

薬剤の解説が詳しい

 

プリンペランの臨床解説

 

治療薬ハンドブック

冊子体に電子版のライセンスが付属している。専用アプリを使ってログインし、コンテンツをダウンロードして使う。ダウンロードが済めばインターネット接続できない場所でも使える。

内容は冊子体のサブセットでしかない。個々の薬剤の詳細情報まで。治療薬のカテゴリー毎のまとまった解説がないので、治療薬の勉強には向かない。

医療用医薬品 情報検索

医療用医薬品 情報検索」は独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の提供しているサービスで、無料。

添付文書から

 

無料のアプリ

治療薬を含む医療情報を提供するアプリがいくつかある。もし利用登録が必要なものならば、無料であることと引き換えに、利用者の個人情報がサービスを提供する運営会社や第三者に利用されることを意識しよう。検索・閲覧した情報を集約すれば、どんな医療に関係しているかもわかってしまう。医療に関する情報に守秘義務があることを勘案すれば、無料アプリの利用には慎重な配慮を要する。

利用する前に、必ず運営会社のホームページにアクセスし、プライバシーポリシーを確認すること。特に、個人情報の第三者提供の項目に注意しよう。情報の提供を受ける「第三者」が開示されているかも重要。また、会員の退会の方法が提供されているか、その際に個人情報も削除されるのかも要確認。運営会社がプライバシーマークを取得しているかも確認しよう。運営会社が、事業をどのようにマネタイズしているかを疑おう。

更新履歴

  • 2021/3/11, 15 isho.jp版のアプリを2021年版に更新。無料アプリの項目を更新。
  • 2020/3/18 isho.jp版のアプリを2020年版と差し替え。
  • 2020/1/20 冊子体のバナーを2020年版と差し替え。各々のアプリの状況を確認(電子版はまだ2019年版)。キャプチャを数点追加
  • 2019/4/5 2019年版にアップデート
  • 2018/4/10 最初の投稿

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