Dr. 倉原の呼吸にまつわる数字のはなし
呼吸器系の解剖・生理や臨床のトピックを、数字から解説するよみもの。全部で44の数字があり、数ページの一話完結になっている。楽しく読める。
同じ筆者の『本当にあった医学論文』3巻は以前紹介した。
目次から:
〔1〕200° ―ばち指の症状がある患者さんの爪先の角度
〔2〕80ミリ秒 ―連続性ラ音の定義
〔3〕8週間 ―慢性咳嗽のボーダーライン
〔4〕60mmHg ―呼吸不全を診断するときのPaO2の基準値
〔5〕48時間 ―院内肺炎を判断する時間の目安
…
〔43〕30~60日 ―成人百日咳の咳嗽期間
〔44〕1% ―気管支鏡による気胸合併率
解剖学や生理学の授業が済んでいたら、そういえばと思い出すこともすくなくない。
例えば気管分岐部の角度など、たいていの解剖学のテキストに書いてある。解剖学実習でもみていたはず。解説文が親しみやすくわかりやすい。それぞれに4コママンガが付いていて、それだけみても要点は大丈夫。
臨床の話しの多くは、解剖・生理を覚えていたらわかる。吸入薬の使い方の注意とか、呼吸機能検査のいろいろとか。ピークフローメーターは、Amazonで数千円からあるようだ。
なかには、臨床で「シノギ」を経験しないとわからないこともある。おカネの話とか、確かに払うとなれば一大事だ。高額療養費制度はあるにしても。
本書はコロナ以前の本なのでコロナの話しはないが、コロナのワクチンや治療薬が3割負担になったら2万円では済まなそう。
- 高薬価問題を考える ①コロナワクチンの適正価格
- 高薬価問題を考える ②新型コロナ感染症に対する抗体カクテルの実力
- 高薬価問題を考える ③アビガンの承認プロセスは健全か
- 高薬価問題を考える ④経口薬モルヌピラビルはゲームチェンジャーになりうるか?
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