ゼブラフィッシュ実験ガイド
ゼブラフィッシュは生物学研究のモデルとして、マウス、ショウジョウバエ、ゼノパスと並んで用いられる。現在は論文数ではショウジョウバエに並んでいる。
本書はゼブラフィッシュを使った研究のためのガイドブック。これまで同様の成書には英文のしかなかったが、初めての日本語の本になった。研究者はおおむね英語でも大丈夫だが、技術職員や学生にも実験の作業をお願いするには、日本語の本はありがたい。
「はじめに」にあるように、ガイドブックとしては『The Zebrafish Book: A guide for the laboratory use of zebrafish (Danio rerio)』(Eugene, University of Oregon Press)がより広く利用されている。最新の第5版の冊子体は$50だが、日本から買うと送料がその倍くらいかかる。同じ内容がオンラインで無料で公開されているので、それで足りる。
- http://zfin.org/zf_info/zfbook/zfbk.html (4th Edition)
- https://wiki.zfin.org/display/prot/ZFIN+Protocol+Wiki (5th Edition)
本書では、ゼブラフィッシュの概略、飼育法などの基本的な手技に加え、最新の実験方法や日本国内のリソースが紹介されており、『The Zebrafish Book』との違いになっている。また、材料や資材が国内に合っているのが便利だ。他の成書にくらべて135ページの小さな本だけれども、追加で使う有用性は高い。価格を抑えるためか大部分は墨一色だが、カラー印刷が23ページある。
- もくじ
- 第1章 実験動物としてのゼブラフィッシュ
- 第2章 系統
- 第3章 飼育
- 第4章 交配と採卵
- 第5章 発生
- 第6章 仔魚の運動
- 第7章 仔魚の行動
- 第8章 成魚の行動
- 第9章 トランスジェニックゼブラフィッシュ
- 第10章 遺伝子の機能阻害
- 第11章 遺伝子ノックイン
- 第12章 ライブイメージング
- 第13章 化学物質の毒性評価への応用
- 第14章 創薬への応用
- 第15章 ゼブラフィッシュのデータベース
- 第16章 ゼブラフィッシュ・リソース事業
- 第17章 実験に必要な手続き
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