ソッカの美術解剖学ノート

ソッカの美術解剖学ノート

ソッカの美術解剖学ノート

ソク・ジョンヒョン
7,300円(12/18 05:00時点)
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Amazon.co.jpの美術解剖学書で最も人気の高い美術解剖学書のひとつ。著者のソク・ジョンヒョン(ソッカ)氏は、韓国で活躍するイラストレーターで、芸術学校や大学などで美術解剖の教鞭を長く執ってきた。

イラストレーター同士の勉強会をきっかけに企画され、解剖学者のアドバイスも得ながら著者自身の学びで蓄積された「ノート」をもとに書かれている。文章もイラストも筆者による。

イラストレーターの作品らしく、イラストに曖昧な線や陰影がなく、とてもクリーンでみやすい。骨や筋についての解剖学的な情報が、その働きや意義とともにキチンと記載されている。解剖図も、形状、立体感、質感も含め、解剖学的に正確だ。ところどころにマンガ調の挿絵が入っていて楽しめる。運動器のテキストとしても役立つし、ついでに絵が上手になるかも知れない。筋の起始・停止・支配神経の表もあったら、本当に解剖学書だ。

アカデミックな系統解剖学書のように、本書もまず生物とは何かから始まる。そして人体の基礎(本書では主に骨格と筋)に進む。

生物とは?

 

骨格と関節の基本:骨の突出と陥凹の説明がわかりやすい。

 

人体の概説の後は、運動器系の局所解剖、というよりも、解剖に基づいた部位ごとの描き方が説明される。個々の筋の構造に続いてそれが体表でどうなるか、実例が示される。

頸部の個々の筋の構造と、それが頸部の描写にどう活かされるか

 

胸郭の骨や筋の形と働きが文章とイラストでわかりやすく説明される。呼吸の仕組みや真肋・仮肋・浮遊肋の分類まで記されている美術解剖学書は類をみない。

 

上腕の筋の働きの説明。傍らにマンガもあって直感的に理解できる。

 

最後に、解剖に基づく全身の描写が示される。体表解剖と運動器との関係や、骨格から筋を付け加えて体表に至るまでが描写される。

完成形

 

骨格と筋

 

深部の筋から順に骨格に付け加える。その1

 

深部の筋から順に骨格に付け加える。その2

 

深部の筋から順に骨格に付け加える。最後に皮下組織も

アニメ、イラスト、マンガの作家向けの情報も事欠かない。

解剖学的根拠に基づいた男女の描き分け。骨格の性差は医学部の骨学実習でも学ぶポイント