ソッカの美術解剖学ノート
Amazon.co.jpの美術解剖学書で最も人気の高い美術解剖学書のひとつ。著者のソク・ジョンヒョン(ソッカ)氏は、韓国で活躍するイラストレーターで、芸術学校や大学などで美術解剖の教鞭を長く執ってきた。
イラストレーター同士の勉強会をきっかけに企画され、解剖学者のアドバイスも得ながら著者自身の学びで蓄積された「ノート」をもとに書かれている。文章もイラストも筆者による。
イラストレーターの作品らしく、イラストに曖昧な線や陰影がなく、とてもクリーンでみやすい。骨や筋についての解剖学的な情報が、その働きや意義とともにキチンと記載されている。解剖図も、形状、立体感、質感も含め、解剖学的に正確だ。ところどころにマンガ調の挿絵が入っていて楽しめる。運動器のテキストとしても役立つし、ついでに絵が上手になるかも知れない。筋の起始・停止・支配神経の表もあったら、本当に解剖学書だ。
アカデミックな系統解剖学書のように、本書もまず生物とは何かから始まる。そして人体の基礎(本書では主に骨格と筋)に進む。
人体の概説の後は、運動器系の局所解剖、というよりも、解剖に基づいた部位ごとの描き方が説明される。個々の筋の構造に続いてそれが体表でどうなるか、実例が示される。
最後に、解剖に基づく全身の描写が示される。体表解剖と運動器との関係や、骨格から筋を付け加えて体表に至るまでが描写される。
アニメ、イラスト、マンガの作家向けの情報も事欠かない。
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