The Developing Human, 10e

Langman’s Medical Embryology』とならんで、人体発生学の定評のある教科書。簡略版の『Before We Are Born』とともに今年改訂された。いずれも日本語版があるが、原著より2〜3版古い。

本書では、発生学の3つの視点

  • 記載発生学(発生の形態変化を丁寧に観察し記述)
  • 発生生物学(発生の因果を細胞や分子のレベルで説明)
  • 臨床との関連(先天異常の仕組みを発生学や発生生物学から裏付け)

のうち、記載発生学と臨床に重点が置かれている。模式図やダイヤグラムが豊富に使われ、形態変化を理解しやすい。多くが描き直され、不統一のあった配色も見直されている。胚や胎児、症例の写真では、米国内外からのコントリビューションが多く寄せられており、「ムーア」ブランドの強みを感じさせる。

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コンピュータ(たぶんIllustrator)で描かれたドローイングによる模式図
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まとめのダイアグラム
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二層性胚盤の組織像。医学書院の廃番になった書籍から採られている。現在では貴重だ

前書きでは発生生物学にも言及されているが、本文では発生生物学に関しては見限っているのか、ミニマムだ。いたずらに分量を増やすよりよいかもしれない。

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四肢発生の分子機構についての図はこれだけ

書籍版にはStudent Consultがついていて、全文を読める。また、Student Consult版には練習問題とビデオもある。

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練習問題には単純な知識を問う問題と症例問題がある
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発生過程を模したビデオ