王子様のくすり図鑑

小児疾患でよく用いられる治療薬を、子どもや親向けにキャラ化して親しみやすく解説した本。同じ著者のシリーズ3冊中の1冊。

出版元の「じほう」は、専門家向けの治療薬の本治療薬ハンドブック』で知られる。

本書はロールプレイングゲームのような仕立てになっている。冒険者が王子、味方がくすり、敵キャラが病原体など。

内容は大きく3部にわかれていて、第1部が冒険のストーリー。かぜ、アレルギーなど、小児科で多い疾患ごとに章立てされ、くすりと病原体が登場してくる。それぞれのキャラには第2部のくすり、第3部の病原体へのクロスリファレンスがあって、そのページをたどるとキャラ説明がある。

取り上げられた治療薬は、市井の病院・医院や薬局でよく耳にするようなもの。先発薬、後発薬のしばりよりも、医療関係者がつい口にするようなもの。名称も一般名だったり商品名だったりする。同じアセトアミノフェンでアンヒバ®とカロナール®がでてくるが、後発薬も合わせていずれもよく使われる。どれかを処方された読者が、これは同じ成分かとか考えてしまうよりはいいのではないだろうか。第3世代セフェム系がでてくるのも、実情がそうだということだろうか。

治療薬を網羅することは意図されていないので、治療薬の選択や説明に偏りを感じる専門家はいるかもしれない。そういう読者には、『治療薬ハンドブック』、『今日の治療薬』、『治療薬マニュアル』がある。

冒険のストーリーから「かぜの章」

かぜでつかわれる治療薬が病原とたたかっている

クロスリファレンスをたどるとキャラ説明がある

病原キャラの説明

著者は、アミューズ所属のタレント、東大・東大大学院卒、博士(薬学)。薬剤師。明治大学講師。

  • Kimura, M., Kushiro, T., Shibuya, M., Ebizuka, Y., & Abe, I. (2010). Protostadienol synthase from Aspergillus fumigatus: Functional conversion into lanosterol synthase. Biochemical and Biophysical Research Communications, 391(1), 899–902. http://doi.org/10.1016/j.bbrc.2009.11.160
  • Kimura, M., Wakimoto, T., Egami, Y., Tan, K. C., Ise, Y., & Abe, I. (2012b). Calyxamides A and B, Cytotoxic Cyclic Peptides from the Marine Sponge Discodermia calyx. Journal of Natural Products, 75(2), 290–294. http://doi.org/10.1021/np2009187
  • Nakashima, Y., Egami, Y., Kimura, M., Wakimoto, T., & Abe, I. (2016). Metagenomic Analysis of the Sponge Discodermia Reveals the Production of the Cyanobacterial Natural Product Kasumigamide by ‘Entotheonella’. PLoS ONE, 11(10), e0164468. http://doi.org/10.1371/journal.pone.0164468
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