スマホ/タブレットに入れる治療薬の本はどれがよいか

臨床実習や研修では治療薬のマニュアル本があると便利だ。白衣のポケットには入りきらないボリュームなので、電子版を使いたい。どれがよいか考えよう。

まず、所属の大学や病院で、大量購入していたり、ネット版のライセンスがあるかもしれない。まずそれをチェックしよう。たとえば、群馬大学医学図書館なら、医学書院の「今日の診療プレミアム」のランセンスがあり、そこに『治療薬マニュアル』も含まれる。昭和キャンパスのネットワーク内なら無料(同時ログイン数≦5)。

今日の治療薬

自分で個人用に買うならこれの isho.jp 版が第一選択。

『今日の治療薬』は、治療薬のマニュアル本のなかでは最もよく売れている。冊子体と電子版は別売り。電子版には、isho.jp 版m2plus  版とがある。アプリ自体のできと『今日の治療薬』のコンテンツの使いやすさとを比較して、いずれもisho.jp 版の方がずっといい。

isho.jp 版の内容は電子版と冊子体とで同じ。表示は同一ではなく、iPhoneからiPadまで画面に合わせて最適化される。解説を読んで治療薬について勉強するのにもいい。コンテンツは端末にダウンロードされるので、インターネット接続できない場所でも使え、パケットをムダに使うこともない。

isho.jp アプリで『今日の治療薬』の解説を読む。横位置にも対応

電子版の発行は4月で、冊子体の発行の1月より3か月遅れる。

電子版と冊子体の両方を購入すると500円分の図書カードをもらえるキャンペーンはある。しかしむしろ、冊子体に電子版を付属させてほしい

isho は「医書」で、医学書出版業界で使われる隠語。一般の人なら「遺書」が先に想起されて変だが、業界人たちは気づかなかったらしい。

治療薬ハンドブック

冊子体に電子版のライセンスが付属している。専用アプリを使ってログインし、コンテンツをダウンロードして使う。ダウンロードが済めばインターネット接続できない場所でも使える。検索にカメラを使える。

内容は冊子体のサブセットで、個々の薬剤の詳細情報まで。無料でも手に入る添付文書以上の情報ではなく、治療薬のカテゴリー毎のまとまった解説がないので、治療薬の勉強には向かない。

冊子体を買わなくても電子版を2週間みられるお試しがある。

治療薬マニュアル

治療薬のマニュアル本のなかでは、解説が最も詳しい。本のボリュームも最大。

冊子体に電子版のライセンスが付属している。電子版の内容は冊子体と同じ。解説を読んで勉強もできる。

ただし、そのライセンスが発行年の翌年1月末で切れ(買ってから1年ではない)、以降は電子版が全く使えなくなる。データの更新だけできないというレベルではない(学生のみ翌々年までの延長キャンペーンあり)。しかも、冊子体発行時の電子版は前年度版で、同年度版がみられるのは4月から。

電子版には専用アプリやブラウザでアクセスできるが、コンテンツを端末にダウンロードすることはできず、インターネット接続のない環境では使えない。専用アプリを使うとアクセスの手間は楽だが、アプリ自体の出来が悪く、画面の大きいiPhoneだと拡大表示にもなる。ブラウザなら表示はきれいだが、アクセスの手間は増える。いずれにしろ、サッと取り出して調べるには、使い勝手がよくない。

EPIONE薬辞典

EPIONE薬辞典」は治療薬の添付文書を検索して読めるアプリ。

無料で、広告も出ない。ただし、リクルート社の「ドクターズキャリア」に登録が必要。添付文書自体は、独立行政法人医薬品医療機器総合機構のサイトで無料で閲覧・ダウンロードできるから、専用アプリの利便性と自分のプライバシーとの引き換えだ。

まとめ

電子版に関して、治療薬の本はいずれも改善の余地がある。

  • 冊子体にフルセットの電子版を付属させる
  • コンテンツは買い切りで、改訂後も旧版は使えるように
  • 冊子体と電子版を同時に発行
  • アプリやプラットフォームの使い勝手を改善
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