治療薬ハンドブック2025
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治療薬の本は、主に3冊ある。いずれも毎年1月の同じタイミングで新版がでる。
Amazonの順位でみると、『今日の治療薬』がダントツによく売れていて、『治療薬ハンドブック』と『治療薬マニュアル』は同じくらい。
処方の参考にするには、どれを選んでも役に立つ。しかし、持ち歩くには重いので、スマホで電子版を使いたい。どれも電子版があるが、商品形態はいろいろだ。
『今日の治療薬』の電子版は冊子とは別売りで、医書.jp版はサブスク、m2plus版は年度版。『治療薬マニュアル』は冊子に電子版のライセンスが付属するが、期限が次の版まで。別売りの医書.jp版は年度版でライセンス期限ナシだが、冊子は付いてこない。『治療薬ハンドブック』は冊子にアプリの同年度版のライセンスが付属していて期限なし。
つまり、本1冊分の支払い1回で冊子と期限ナシの電子版の両方が得られるのは『治療薬ハンドブック』だけということになる。評者は『今日の治療薬』のサブスク版と、『治療薬マニュアル』の機関契約版にアクセスがあったので、『治療薬ハンドブック』を試してみた。
先着限定でロゴ入りのステンレスミニボトルが付いてくる。
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先着のステンレスミニボトル
『治療薬ハンドブック』の特徴は、粉砕、簡易懸濁、妊婦、小児、腎機能、といった、実際の処方に役立つ情報が記載されていること。2025版では、これらに授乳婦が追加された。
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授乳婦への対応が追加された
カバーは白地に青と赤のタイトルが鮮やかだ。カバーを外すと、ビニールの表紙がでてくる。パールの効果で、角度によってピンクから緑がかって見える。
表紙の見返しに使用法と目次があって便利だ。しおり(スピン)は色違いで2本付いている。
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キラキラなパールの表紙
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見返し
内容を少し見てみよう。各章ごとに、基本的な解説がまずある。最初に、使用上のポイントが箇条書きされている。なるほどと思うものばかりだ。そのあとに、基本、分類、…と続く。
解説に続いて、それぞれの治療薬の説明がある。一般名、略称、商品名、適応・用法用量、注意や禁忌、ポイントが、表にまとまっている。薬価も記載されている。患者に指導するときのポントがひとこと記されているのがいい。
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総説
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個々の薬の説明
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授乳婦への注意が追加された
裏表紙の見返しに、プラスチックの袋に入った付録が付いている。そっと引っ張ると外れる。この中に、アプリ版のコードが入っている。粘着剤が残るが、指で剥がせる。
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裏表紙の見返しの付録
付録に入っているのは、シリアルコードの記された紙、早見表が3つ。サムネールのシール。
ポケットカード(早見表)は、年度ごとに異なる内容のが付いている。続けて購入しても被らない。アプリの中には2020年度版以降のバックナンバーのポケットカードが付いているので、収集に右往左往しなくても大丈夫。
シリアルコードはQRコードになっている。使うには3ステップ
- アプリをインストール
- 会員登録する
- アプリでQRコードを読み込む
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付録
アプリをみてみよう。冊子と同じ流れで、総説から各治療薬の解説をみる。アプリでは、薬の外観写真や構造式もみられる。
お気に入りにフラグを立てられたり、検索履歴が残ったりと、使っているうちにいつもの薬にアクセスしやすくなる。
アプリでは、ニュース配信もある。また、「P+(ぴーたす)」という付録が付いていて、表などにアクセスできる。ウエブセミナーや知識確認の問題集もあって、何かの試験対策にもなる。
アプリはオフラインでも使える。電波の届かないところで使う必要があるときに、オフラインに設定すると、主要なデータが端末にダウンロードされる。ただし、いくつかの機能は制限される。
当記事での紙面とアプリの画像の使用については、株式会社じほう様より許諾を受けました(2025年1月17日)。
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