WEEK9 Day3 発生学講義 泌尿生殖器1

ポイント

◇腎の発生

中間中胚葉由来尿生殖堤から前腎、中腎、後腎ができる。

中腎管は尿管芽を出して尿管を作ったのち、残りは生殖器系へ。後腎は永久腎へ。分子メカニズムは、組織学とも関係してくるのでタイトル程度は覚えて。

膀胱は内胚葉由来。尿生殖洞は尿膜管を通じて胎盤へ。尿直腸中隔ができて、泌尿器系と消化管系が分かれる。尿道ができて排尿ができるようになると尿膜管が閉じる。閉じ方が不十分だと尿膜管遺残。膀胱には尿管は斜めに入るので、ここが圧によりつぶれるため尿管へ逆流しない。

尿管芽が2本出る発生異常。腎盂も重複。尿管が膀胱に吸収されずに異所性に開口する場合もある。女児に多い理由:気づきの問題。膣に開口すると気づく。男性で前立腺に開口しても、尿道(外尿道括約筋よりも上)につながっているので気づかない。女児では尿生殖洞後方から洞膣球ができるが位置的に非常に近いまま発生が進む。

後腎→腎臓は第6-9週に上昇する。腎門が正面から側面に90度内旋しながら、血管をつなぎ変えていくので、腎動脈のバリエーションはとても多い。

下大静脈の発生。覚える。最初にある後主静脈は、総腸骨静脈以遠として残る。左主下静脈は退縮するが完全にはなくならず、生殖腺静脈として残る。総腸骨静脈の少し上、奇静脈系は最後に形成される主上静脈。左は特にできたり消えたりが多いので、例えば、重複下大静脈(主下静脈が左右とも残る、この場合でも興味深いことに左生殖腺静脈は重複部分とは別に出来上がる)であったり、半奇静脈、副半奇静脈の変異は多い(左主上静脈が消失しすぎると半奇静脈がなくなる)。腎静脈と下大静脈は主下静脈由来(結果を名前だけで考えると上下が逆転していると覚えておけばいいかも)。主下静脈の残存が多くて予定奇静脈領域が少ないと下大静脈後尿管。発生学的に考えればこれが生じるのは右。狭窄で水腎症や逆流による感染のリスク。

副腎:副腎皮質は中胚葉由来。尿生殖堤の内側から発生する。ホルモン:アルドステロン、コルチゾール、アンドロゲン。副腎髄質は、外胚葉神経堤細胞由来。したがって、アドレナリン、ノルアドレナリンの分泌する点において神経系に共通または近いと言える。

◇性分化

基本形は女性で覚える。SRY遺伝子により男性になる。制御分子、ホルモン(p23)が重要。覚える。ほぼこれで性分化の流れは説明可能。分子細胞生物学レベルでは未解明の部分も多い。興味があれば調べて。「始原生殖細胞が卵黄嚢から遊走してくる」だけ覚えてくれれば、p24は細かすぎるし、今後の研究次第でかわってくる可能性もあるので、覚えなくていい。

ウォルフ管:男は狼なのよ(出典:S・O・S by ピンク・レディー)