WEEK7 Day1 腹壁

An operation being performed on the lower abdomen of a male patient. Coloured lithograph by N.H. Jacob after himself. Wellcome Collection. Source: Wellcome Collection.

水曜日は午後から実習。腹壁を剖出し、開腹の準備をする。鼠径管の成り立ちを理解することが今日のポイント

  • 浅筋膜とその中の血管・神経
    • カンパー筋膜とスカルパ筋膜の識別。裏からみると分かりやすい
    • 浅腹壁静脈
    • 肋間神経
    • 実習書のアドバイスに従い、浅筋膜を一体ではがす
    • 滲んだ脂はこまめにティッシュでぬぐい、術野の清浄を保つ
  • 腹壁の筋
    • 側腹壁の3層
    • 腹直筋鞘と腹直筋
    • 胸内動脈〜上腹壁動脈〜下腹壁動脈のつながり
  • 鼠径管
    • 側腹壁の層が精索に連続することをみる
    • 結合組織の膜のことも考えながら、丁寧に剥離する
    • 図を見ながら、どれとどれがつながっているか、剖出して確認する
    • 腸骨鼠径神経、陰部大腿神経陰部枝をみつけておく(腰神経叢の剖出の時につながるように)
    • 『グラント解剖学実習』図4.8Bは誤解の元なので、『グレイ解剖学』図4.42〜4.47を参照しよう
  • 開腹
    • 奇数班は9分割法、偶数班は4分割法。あるいはすきな方でもよい
  • 腹部CTチェックリスト提出(剖出完了チェックに替える)

 

配布物(各班1部)

  • 鼠径管の図(男・女)
  • 腹部CTチェックリスト

冠状動脈チェック

  • 各1点、最大10点(下は右優位の場合)
    • 右冠状動脈(起始部〜後室間枝を分岐するまで)
      • 房室結節ないし洞房結節への枝
      • 右辺縁枝ないし右室枝
      • 後室間枝
    • 左冠状動脈(起始部〜前室間枝と回旋枝に2分するまで
      • 前室間枝
        • 対角枝(数本)
      • 回旋枝
        • 左辺縁枝ないし左室枝(数本)
    • 右優位・左優位の判定(後室間枝がどちらに由来するか)
    • 前室間枝と後室間枝に目ぼしい吻合はあるか(ミクロな吻合は問わない)
  • 枝が見つからないとき:あるべき場所を探した跡、切れた断端を替わりとする
  • 剖出できていないのに描画はされていたとき:全体で2点
    • 剖出=動脈が端から端まで露出されている(壁への繋ぎ留めのために敢えて残した結合組織を除く)
    • 剖出 ≠ 膜や結合組織から動脈らしいのが透けて見えただけ、一部が露出しているだけで端が見えない、伴走する静脈とくっついていてどちらが動脈かわかっていない(冠状静脈洞は残してよく、チェックの時に押しのける)、吻合のあるなしを心筋内まで追ってない
  • よくある減点ポイント
    • 大動脈からの起始部を内腔側から確認していない
    • 左冠状動脈が左心耳に隠れている部分を開いていない
    • 対角枝と左辺縁枝を誤解している

進捗

  • 16時、8班終了
  • 17時、残り3班