WEEK7 Day1 腹部CT・腹壁の筋・腹直筋鞘・鼡径管

Image from page 186 of "The anatomy and surgical treatment of hernia" (1892)

腹部CTの講義と腹壁の解剖

腹壁

  • 結合組織の層の解剖になる。粗密や線維の方向をよくみて剥離する。不注意につついていると孔を開けてしまう
    • 筋膜の線維は乱雑なのでフェルトのよう。線維が揃っているので腱膜はキラキラ光る
  •  腹部の浅筋膜は2層ある
    • キャンパー筋膜
    • スカルパ筋膜
    • 2層に明確な境目はない。スカルパ筋膜は、浅筋膜をはがして裏から見るとわかりやすい
    • 筋膜と腱膜を見誤って腱膜に孔を開けないよう。鼠径管付近は要注意
    • 浅筋膜を一体で剥離して除去できると、視野が脂で覆われてしまうことが少ない。滲んだ脂をペーパータオルで適宜吸い取る
  • 腹直筋鞘
    • 腱膜の癒着がどこにあるか調べておいて、あるべき癒着を剥がそうとしないように
    • 癒着や線維の交絡の境界は曖昧なことが多い
    • 弓状線の境界はぼやけていることが多い
  • 鼡径管
    • 今日の最重要ポイント
    • 腹壁から精索への層のつながりを復習してから進む
    • 鼡径部・外陰部を支配する神経がどこのどの層を通るか調べてから探す
    • 下腹壁動脈と深鼠径輪との位置関係をみる
    • 女性の鼡径管はわかりにくいので、男性のを参考にしてからやるとよい
    • グレイ解剖学アトラス原著第3版』があれば、p.148~151の図が参考になる
    • 浅筋膜の除去は鼠径靭帯上まで。それより尾側の「大腿部」には伏在裂孔などの構造あり、いまは手付かずの状態にする
  • 精巣挙筋反射:大腿上部内側の皮膚→腸骨鼠径神経→L1→陰部大腿神経陰部枝→精巣挙筋
  • 腹壁を開く
    • 隣の班と相談してから切開線はすきなほうを

 

World J Gastrointest Surg. Jul 27, 2020; 12(7): 307-325 Published online Jul 27, 2020. doi: 10.4240/wjgs.v12.i7.307 より

 

後縦隔の剖出チェック

  • 左右の反回神経、胸管、奇静脈系、交感神経幹、肋間動静脈・神経
  • 交通枝、気管支動脈、大内臓神経
  • 今日帰る前までに

腹部CTチェック

  • 明日ブリーフィング後に

横断標本

  • 出題あり

明日の腹部エコーのデモの患者役

  • 主に上腹部から側腹部にかけてエコーで診る
  • 女性の場合は、バスタオルなどの覆いを持参ください

 

奇跡の三人目は職場のエコーで自己妊娠判定 腐女医の医者道 外科医でオタク(1)–レタスクラブ より

 

採点クレーム

  • 採点のクレームは、問合せページから
  • クレーム期間は、答案返却時からちょうど1週間(例:水曜日13時に返却したなら、翌週水曜日の13時まで)
  • 答案は全てスキャンしてあるので、懸念箇所と内容を知らせてくれればよい。担当者がスキャンを確認して修正しデータベースに反映させる。答案をもってきて出題者に口頭でたずねても対応できない
  • 複数の教職員(出題、採点、データ処理)が担当しているので、直メールでは対応が遅れる
  • 複数の同内容の問合せには、まとめて対応する

進捗

  • 14:30~ 前説
  • 14:45~15 CT関係質疑応答
  • 17:50 2班終了