WEEK7 Day2 腹膜腔・腹腔動脈領域・腹部エコー

Image from page 580 of "Anatomy, descriptive and surgical" (1887)

終日腹部の解剖。午後は腹部エコーのデモ。腹腔動脈のスケッチ。

腹腔・腹膜・腹膜腔

腹部内臓の作業に進む前に、腹膜由来の構造をよくみておく。腹膜腔の凹みに手やプローブを差し込んで確認する。腸管の回転に伴う腹膜の形の変化を『グレイ解剖学』などで勉強して、成体の形を理解する。

  • 大網。後胃間膜がのびて二重になり癒着。痛んだ腸管に寄っていって保護するはたらき
  • 小網。前胃間膜(肝胃間膜)が右に倒れ、網嚢を囲む。網嚢孔の縁を通る管に触れて確認しよう
  • 肝腎陥凹(モリソン窩)、脾周囲陥凹に手を差し込んで確認する
  • 網嚢孔を確認し、網嚢に指やプローブをいれてみる。肝胃間膜の縁をつまんで総胆管、肝動脈、門脈を触れられるか?

FAST

腹腔動脈領域

  • もっぱらハサミの峰、プローブ、指、ピンセットを使って、鈍的剥離で剖出する。ハサミの刃、メスを使うとなにもなくなる。
    • 前腸由来の消化管と消化腺
    • 腹腔動脈とその枝
    • 大動脈・腹腔動脈周りの神経と神経節
    • リンパ節は外してよい

腹腔動脈のスケッチ

  • スケッチ用紙の下書きの上をなぞって描き、リストにある枝を同定して図に示す
  • 腹腔動脈の枝は多様なので、実物に即して描くこと
    • 典型例(下書き)と違うところを明示する

腹腔動脈・上腸間膜動脈の多様性

ネッター解剖学フルセット版 原著第7版』を持っていたら、のボーナスプレートBP72が参考になる。

 

Types of celiac artery (CA) and celiacomesenteric trunk (CMT) variants according to Morita ‘ s classification (1935) – From Babu, C. S. R., Joshi, S., Gupta, K. K. & Gupta, O. P. Celiacomesenteric trunk and its variants a multidetector row computed tomographic study. J Anat Soc India 64, 32–41 (2015).

 

腹部エコーのデモ

  • 各列を2つにわけて、A列から順にデモ(F列はE列にまざる)
  • 各1名が患者役

切除術後

  • 胃や胆嚢が切除されていることはよくある
    • 手術創
    • 剖出できるなら、どのように再建されているかをみる
    • 癒着などで細かな剖出が困難なら、できるところまでで
    • 腹腔動脈のスケッチはパスしてよい(その場合、腰神経叢のスケッチの成績で代用)

進捗

  • 8:40 前説
  • 8:55 ブリーフィング後作業開始
  • 11:30~ 昼食
  • 13~14 エコーのデモ。列ごと、装置2、医師3、技師2
  • 14時には、スケッチ提出し今日の分が終わった班が数班
  • 15:30 12班おわり