アンメット —ある脳外科医の日記—
医療マンガ・ミステリーマンガ。「コミックモーニング」連載中で、コミックは現在6巻。
原作者は元脳外科医。「転生賞(◯◯だったけど転職したら夢の印税生活で賞)」大賞受賞。
主人公は脳外科医の青年。ワーカホリックで、ほぼ病院内で生活している。米国の「フィラデルフィア大学病院」で8年間働いていた。すでに日本の40年分の手術経験がある。
「フィラデルフィア大学病院」はフィクションだ。フィラデルフィア市内に実在する大学病院だと、トーマス・ジェファーソン大学病院、ペンシルバニア大学病院、テンプル大学病院あたりが著名だけど、高層のビルが建て込んでいる感じだと、ペンシルバニア大学病院(と同キャンパス内にあるフィラデルフィア小児科病院)界隈が近いようだ。
主人公には脳梗塞の幹細胞治療の研究実績も多くあったが、実験に使っていたラットを遁走させて「フィラデルフィア大学病院」はクビになった。帰国し、市中の私立病院に勤務する。
なお、実際に遺伝子組換え実験で遺伝子改変動物を遁走させると、日本の法律では所属する機関ごと処罰されるかもしれない。また、宿直室で動物を飼育するような実験計画では、学内の認証は通らない。論文を投稿したとしても、編集部が却下し査読にも回らない。そこはフィクションということで。
帰国前にみたのは、フィラデルフィア美術館のよこにあるロッキー像。「ロッキー」はこのあともでてくる。
原作者が元脳外科医だけに、医療考証はちゃんとしている。ときどき解説がある。情景や現症もマンガでよく伝わる。解剖学、神経解剖学、生理学などを習っているレベルでも、参考になることが多いだろう。教科書と合わせて読んでみたい。
第6巻では、物語のキーになる論文がでてくる。ボカシが入っているが、下の論文で間違いないと思われる。全文が無料で公開されているので、読んでみるといい(Google翻訳)。
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