偽者論
金原出版は、『分担解剖学』の金原出版。著者は、精神科医で詩人。
ジャケ買い。「材質上」はハードカバーの美麗上製本(と思ったら、表紙の芯は段ボールらしい)。セプテンバーカウボーイによる装丁。
メタリックなピンクのグラデーションのカバー。モチーフは「アレ」かもしれない。干渉色の成分も入っているらしい。見るとカバーに自分が映り込む。光学的には虚像というやつだ。ヘタに本を撮影してSNSに上げると、身バレして偽者でいられないので注意されたい。(すでにいろいろ映り込んでいる写真がアップされてる)
カバーの映り込みを抑えて、干渉色がうまくでるようにして、ハレーションは切ってとか考えると、撮影セットが大がかりになる。ありのままは写せなそうだ。今日は、ピントを合わせないでおこう。
ぎらぎらしたカバーを外すと、マットなダークグレーに燻し銀の表紙。どちらがフェイクなのか知らない。
見返しには2色のハート模様が並ぶ。角度によって見え方が変わるが、両方がはっきり写るポイントがない。
セリフ1行で始まる。まえがきがない。医学書ではなかったようだ。
本文は主に上質紙に墨版。カラー印刷のページが最初だけある。高所の窓からみているのは、外ではなくて鏡像の方らしい。
このあとの第0章で「偽者クラスター」のはなしが始まる。
「パーソナリティ障害」「解離症」「同一性障害」と、プロ以外には区別の難しいこころの問題は多い。「同一性障害」は、万人にありふれた状態としてDSM-IVで「同一性の問題」に格下げされ、DSM-Vで削除された(確かに、ロックやオルタナティブや文学には、ラブソングと同じくらいありふれている)。臨床から掬い取られて項目だてされ、後に改変・削除されていくなかで、手から漏れるのはあるのだろう。
縦書きになったり横書きになったり、明朝体やら丸ゴシックやら。コート紙のページもある。
写真は、森山大道のアレ・ブレ・ボケのオマージュだろうか、いや、偽者だろうか。(1960年代からずっとこのスタイルでやってる森山以外、他の誰がやっても偽者か。)
https://twitter.com/uniqlotokyo/status/1408236879565103104?s=21&t=4Ga19dt2Uj2K6RVx_GSZSA
黒地に白のページもある。
オビをみたら、もう既に読んだ気がするかもしれない。
あとがき。感想文の課題なら、第0章の次に読もう。
はて、幾重もの鎧のような装丁をなくして、テキストだけの電子書籍にしたら、そして誰にも読みやすいUD(ユニバーサルデザイン)フォントで大きめに表示したら、何が失われるのだろう?
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