イラストで読む ギリシア神話の神々、ほか全7巻
解剖学用語や医学用語には、ギリシャ神話から採られたのが少なくない。
アキレス腱(踵骨腱)は一般的にもよく知られている。
医学生なら、オリエンテーションで解剖学のテキストの説明のときに、図ばっかりの本をアトラスというのを聞いたろう。実際に買ったのがプロメテウスだったかもしれない。
骨学実習の初日に見たのもアトラス(第1頚椎)だったろうし、肝門脈のくだりでメデューサの頭(門脈圧亢進による臍周囲の皮静脈の怒張)を学んだ。
臨床医学に進めば、エコー(超音波診断装置)が頻繁に出てくる。エディプスは脚が生まれつき腫れていた(エデーマ(浮腫))のでそういわれた。ゲノム的なあいのこはキメラ。魚類のヘッジホッグ遺伝子ファミリーのひとつにエキドナ・ヘッジホッグというのがあって、このエキドナはハリモグラだが、ギリシャ神話では下半身が蛇の怪物。単眼症のサイクロピアは、ひとつめの怪物キュクロープスから。
卒後研修が一息して自分へのご褒美にエルメスを買うかもしれないし、運動不足解消にナイキのシューズを買うかもしれない。
大学や職場のネットワークで使われているのはケルベロス認証。
いったい、どうなっているんだ?
欧米の知識人の思考の底にはギリシャ神話があって、ネーミングのアイディアのもとになっているのだろうが、日本で育ってると皆目分からない。一旦整理した方がいい気がする。しかしギリシャ神話は複雑で巨大な物語らしい。源氏物語も読んだことないのに。だれか解説してほしい。
と、教えてくれる人もいないので、この本で。親しみやすいイラストとおはなしで、わかりやすい。代表的な美術作品も掲載されている。
本書は、美術史をイラストで概観するシリーズのうちの一冊。冬休みに読んでみよう。
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