鳥になるのはどんな感じ?
こどものころの愛読書が「学研の図鑑」だったりしたなら、この本は楽しいはずだ。
鳥類の学習図鑑である。美しいイラストをみていると、自然に鳥のことがわかってくる。監訳者は「イラストで描かれた鳥類学の入門書」と評している。
作者はアメリカの画家・作家で、鳥類の図鑑をたくさん制作している。
本書は「概論」から始まる。といってもハードコアな説明文ではなく、鳥類とはなにか、体の特徴、生態など、小さなテーマに分けてイラストと短文で説明される。一通りみてもよいし、あとまわしにしてもよい。
つづいて、種ごとに見開きの数ページで鳥が紹介される。水彩画のイラストが美しい。形態から生態まで一枚で多くを語るには、写真よりイラストの方が有利なようだ。
いまでこそ飛んでいる鷲の瞳にピントを合わせ続けられるカメラがあるけれども、それまでそんなことができるのはエグいプロフェッショナルだけだったんである。月に照らされたフクロウをイグジスティング・ライトで写真にするのは、いまでも多分むずかしい。
AppleTV+の「Earth at Night in Color」ではキヤノンME20F-SH(388万8000円)が使われているらしい。
掲載されているのは北米でみられる鳥だけだが、多くは動物園でみられるし、類縁のは日本にもいるし、ネットを探せばみつかる。
ページを繰っているうちに、個々の種ではなく、鳥のしくみの一般がいろいろわかってくる。ヒトの解剖学を学んだあとなら、比較もたのしめる。
生態や環境への言及もある。
巻末に掲載された鳥の索引がある。イラストと解説もあって、これだけで独立している。
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