WEEK6 Day1 腹壁
- 腹部CTの講義
- New Anatomy Wednesday
- 解剖実習:腹壁
今日のポイント
以下の構造をいずれも鈍的に剖出する。刃物は、筋を切断するときと腱膜を切り開くときだけ使う。
- 浅筋膜
- 側腹部の筋
- 腹直筋鞘と腹直筋
- 鼠径管
浅筋膜の解剖は、実習書の通りに。スカルパ筋膜と筋との間を手で剥離し、浅筋膜をひとかたまりとして筋から取り除く。
- 浅筋膜の剥離のときに、腱膜を傷つけない。鼠径管や腹直筋鞘の剖出に差し障る
- 組織の密度や繊維の方向をみわける。
- 表面からピンセットでむしる方式だと、キャンパーとスカルパの違いがわからなくなるし、脂肪の漏出が多く視野が汚れる
- はがした浅筋膜を裏側から見れば、スカルパ筋膜がすぐみえる
- 表面から削いでいくと、どこからがスカルパ筋膜かわからない
- 脂肪をペーパータオルなどでこまめに吸い取ると、視野や周囲が脂で濡れず、解剖しやすい
- 皮神経の剖出は左右どちらか一か所でよい
側腹部の筋の剖出では、層構造と繊維の方向に注意。
- 側腹部の筋の間の結合組織は少ない。繊維の方向に注意して、筋層を分ける
- 筋や腱膜の間に繊維の交絡が多少ある。筋線維束自体は引っ張りに弱いので、丁寧に鈍的に剥離していく
- 腹直筋鞘の手前で腱膜が合流するポイントを意識する。知らずにやると孔を開けてしまう
鼠径管の構造は難しい。鼡径ヘルニアの修復は、外科だと初心者がトライする手術の1つだが、構造が分かっていないとパッチも当てられない。腹壁の層構造と精索の膜との連続性を考える。
- 外腹斜筋腱膜〜外精筋膜
- 浅鼠径輪を外腹斜筋腱膜が作ることになっているが、そこで腱膜が途切れているわけではない
- 外精筋膜が露わになるまで、浅筋膜の除去に専念する。精索自体の解剖はそのあとだ
- 内腹斜筋〜精巣挙筋
- 横筋筋膜〜内精筋膜
- 腹膜外筋膜〜内精筋膜下の脂肪
- 腹膜〜途切れる〜精巣鞘膜
適切なアトラスの図を参照しながら進める。女性は特に難しいので、男性のを先行させて参照するのがよい。男女ともよく観察する。
- 『グラント 解剖学実習』の図4.8~4.11は間違っているか、少なくとも誤解につながる。
- 『グレイ解剖学アトラス』のp.148~151の図が、構造を理解しやすい。
- 『解剖学カラーアトラス』は写真なので、実習の参考にできる。
- 『プロメテウス解剖学 コア アトラス』、『グラント解剖学図譜』は大丈夫。
- 『ネッター解剖学アトラス』は男性だけ大丈夫。女性のは変。
- 『カラー図解 人体の正常構造と機能』は、説明はともかく図がダメ。
腹直筋鞘と腹壁
- 腱画と腹直筋鞘とが癒着している。ここはメスではがす
- 下腹壁動脈が縦につながることを見る
- 偶数班が4分割、奇数班が9分割
調べよう!
- 脂肪吸引(liposuction)や脂肪凍結(cryolipolysis)のリスク
- FDAのまとめ(アーカイブ)
- Mayo Clinicの解説
- 鼡径ヘルニアの治療
進捗
- 13時から腹部CTの講義
- 続いて試験のための席替え
- 正中から数えて奇数番めの席に移動
- 最前列は目の弱い人用の予約席
- 縦に真っ直ぐ並ぶように
- New Anatomy Wednesday
- 教科書などしまう
- マークシート配布し、番号にマーク
- スライド自動再生
- マークシートを回収
- 簡単に前説
- 一旦、静寂を求める
- もっぱら鈍的はくり
- 浅筋膜を一体で剥がす
- 鼠径間を丁寧に
- 実習室に移動して作業開始
- 冠動脈の直しは明日まで;指示入りコピーと修正後のをまとめて提出
- 16時、側腹部の筋から腹直筋鞘の作業
- D1班、右鼠径ヘルニア術後。外腹斜筋と内腹斜筋の間にメッシュあり。体表の傷は気付かれず。
- 16:40、6班終了。
- 17:10、12班終了。
- 18:25、全班終了。