WEEK6 Day1 腹壁

The external oblique muscle (Gray, H. Carter, HV. Anatomy – Descriptive And Surgical, 1958)
  • 腹部CTの講義
  • New Anatomy Wednesday
  • 解剖実習:腹壁

今日のポイント

以下の構造をいずれも鈍的に剖出する。刃物は、筋を切断するときと腱膜を切り開くときだけ使う。

  • 浅筋膜
  • 側腹部の筋
  • 腹直筋鞘と腹直筋
  • 鼠径管

浅筋膜の解剖は、実習書の通りに。スカルパ筋膜と筋との間を手で剥離し、浅筋膜をひとかたまりとして筋から取り除く。

  • 浅筋膜の剥離のときに、腱膜を傷つけない。鼠径管や腹直筋鞘の剖出に差し障る
    • 組織の密度や繊維の方向をみわける。
  • 表面からピンセットでむしる方式だと、キャンパーとスカルパの違いがわからなくなるし、脂肪の漏出が多く視野が汚れる
    • はがした浅筋膜を裏側から見れば、スカルパ筋膜がすぐみえる
    • 表面から削いでいくと、どこからがスカルパ筋膜かわからない
  • 脂肪をペーパータオルなどでこまめに吸い取ると、視野や周囲が脂で濡れず、解剖しやすい
  • 皮神経の剖出は左右どちらか一か所でよい

側腹部の筋の剖出では、層構造と繊維の方向に注意。

  • 側腹部の筋の間の結合組織は少ない。繊維の方向に注意して、筋層を分ける
  • 筋や腱膜の間に繊維の交絡が多少ある。筋線維束自体は引っ張りに弱いので、丁寧に鈍的に剥離していく
  • 腹直筋鞘の手前で腱膜が合流するポイントを意識する。知らずにやると孔を開けてしまう

鼠径管の構造は難しい。鼡径ヘルニアの修復は、外科だと初心者がトライする手術の1つだが、構造が分かっていないとパッチも当てられない。腹壁の層構造と精索の膜との連続性を考える。

  •  外腹斜筋腱膜〜外精筋膜
    • 浅鼠径輪を外腹斜筋腱膜が作ることになっているが、そこで腱膜が途切れているわけではない
    • 外精筋膜が露わになるまで、浅筋膜の除去に専念する。精索自体の解剖はそのあとだ
  • 内腹斜筋〜精巣挙筋
  • 横筋筋膜〜内精筋膜
  • 腹膜外筋膜〜内精筋膜下の脂肪
  • 腹膜〜途切れる〜精巣鞘膜

適切なアトラスの図を参照しながら進める。女性は特に難しいので、男性のを先行させて参照するのがよい。男女ともよく観察する。

腹直筋鞘と腹壁

  • 腱画と腹直筋鞘とが癒着している。ここはメスではがす
  • 下腹壁動脈が縦につながることを見る
  • 偶数班が4分割、奇数班が9分割

調べよう!

進捗

  • 13時から腹部CTの講義
  • 続いて試験のための席替え
    • 正中から数えて奇数番めの席に移動
    • 最前列は目の弱い人用の予約席
    • 縦に真っ直ぐ並ぶように
  • New Anatomy Wednesday
    • 教科書などしまう
    • マークシート配布し、番号にマーク
    • スライド自動再生
    • マークシートを回収
  • 簡単に前説
    • 一旦、静寂を求める
    • もっぱら鈍的はくり
    • 浅筋膜を一体で剥がす
    • 鼠径間を丁寧に
  • 実習室に移動して作業開始
  • 冠動脈の直しは明日まで;指示入りコピーと修正後のをまとめて提出
  • 16時、側腹部の筋から腹直筋鞘の作業
  • D1班、右鼠径ヘルニア術後。外腹斜筋と内腹斜筋の間にメッシュあり。体表の傷は気付かれず。
  • 16:40、6班終了。
  • 17:10、12班終了。
  • 18:25、全班終了。