新型コロナウイルスの真実、ウイルス対策BOOK、コロコロ日記
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新型コロナウイルスのパンデミックに関連する本が雨後の筍のようにでている。玉石混交のなかから、3冊。専門家自身の解説、専門家の監修したガイドブック、「ふつうの人」の絵日記。状況がめまぐるしく変わっているけれども、現時点でまとめて今後の情報を理解していけるように。
『新型コロナウイルスの真実』
著者は『絵でわかる感染症 with もやしもん (KS絵でわかるシリーズ)』で『もやしもん』のオリゼーたちにイワケンと呼ばれているが、ニューヨークの炭疽菌テロ、北京のSARS流行、アフリカのエボラ出血熱に関わった感染症の専門家。
本書の根幹は「はじめに」で尽くされている。
情報を集めること、知識を身につけること、事実と向き合うことが何よりも大切です
本書はタイムリーに出版するために、筆者の口述した内容をライターと編集者がまとめている。筆者自身の筆ではないが、語り口調で堅苦しさがなく、読みやすい(*)。同じ理由で、参考文献のリストが省略されている。
本文では、新型コロナウイルスに関してわかってきたことと、感染症の原則に基づいて語られる。制作当時の情報ではあるが、原則は(まだ)同じだ。巻末に信頼できる情報源の紹介がある。筆者のTwitterもある。アップデートしていこう。
*本書とも感染症とも関係ないけれども、『バカの壁』も同じように制作された。
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はじめに
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はじめに(つづき)
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感染経路をみつけて、遮断する
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あとがき
『ウイルス対策BOOK』
本書の監修者は感染症専門医で、解説者としてNHK『あさイチ』などに出演多数。出版社は一般書やコミックなどいろいろな本をだしている。
『東京防災』にインスパイアされたようなデザインとコンテンツ。新型コロナウイルス特定の説明は1章だけで、のこりはインフルエンザなどウイルス感染症一般のはなし。
一般の職場や学校で新型コロナウイルスに対応するには、感染防御に詳しいアドバイザーが必要だろう。アドバイザーの介入を得るのが難しいときに、本書のようなマニュアル本があればとりあえず役立つだろう。
実際の制作にあたったのが誰(たち)かは明示されていない。匿名のライターと編集者が制作したものと思われる。医療関係者なら容易に気づく間違い(致命的ではないけれども)が少しある。
感染時の対応など制作当時から変更された内容はあるので、読者各自のアップデートは必要だ。
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まえがき
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感染経路の説明
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PCR検査のイラストが間違っている。プレートに献体をコンラージで広げるのは、細菌検査
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上咽頭粘膜の擦過。左の図はいいけれども、右の図はなでているところが上鼻道の感覚上皮で、間違っている
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手指消毒
『コロコロ日記』
筆者はグラフィックデザイナー。「ふつうの人」からみた、新型コロナウイルスの記録。PCR検査陽性数などのデータや論文は「エビデンス」として残されていくけれども、そのときどきの社会の雰囲気まではデータからは読み取りにくい。パンデミックでなにが起きていたかを忘れないように絵日記で。
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COVID-19が話題になり始めたころ
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ダイアモンド・プリンセスの一件も
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