現着! QQQ 2 —病院に着く前に—
森皆ねじ子先生から2019年末の冬コミの新刊『現着! QQQ 2 —病院に着く前に—』をいただいた。2018年の冬コミででた『現着! QQQ 』の続刊だ。近いうちに、本学医学図書館に配架されるはず。
救命救急士・救急隊員向けの業界紙「プレホスピタル・ケア」の連載(2011年8月号~2014年2月号)が基になっていて、2巻に分けて掲載されている。『2』に掲載されている症例は8つ。いずれも、患者に出会ってから搬送が始まるまでがマンガ、病院到着後の鑑別診断や処置が掛け合い形式の文章になっている。最後の「Case 017」は描き下ろしだ。
登場人物は、救命救急士の秋山くん(♂)、秋山くんの小学校の同級生で戦隊オタクの外科医の辻先生(♂)。この二人の掛け合いで、救急患者に対応していく。辻先生の職場は、筑波学園都市の架空の一般病院だ。外科医と内科医の2名が当直する一次救急になっている。
脇役に、叩き上げの救急隊長(♂)、ちょっと恐い内科医のデストラーデ先生(♀)、救急外来ベテランナースの渡辺さん(♀)、整形外科医の平野先生(♂)、外科の森部長(♂?)、外科志望の研修医のキヨハラ君(♂)、内科研修医の塩崎先生(♀)など。舞台は一次救急の病院(休日・夜間の手術はできない)で、救命救急の専門科はなく、外科と内科の医師2名が待機している。
Case 012
ここではCase 012を紹介しよう。解剖学と生理学を学んでいたら理解できると思われる。夜間の心肺蘇生法(CPR)適応の症例だ。
患者の現症が一コマで表現できている(3コマめ)。この症例のポイントは:
- 呼吸困難
- 脈を触れない
- 血液透析を受けている
最も確からしい診断は?
病院到着後のようすは登場人物のセリフで表現される。この症例では、呼吸はあるのに脈を触れない。人工透析で使う「シャント」がポイントだった。シャントのために橈骨動脈で脈を触れられず、当初心停止が疑われた。
解剖学や生理学の授業になかったらググってアクティブラーニングしよう。
のこるは呼吸困難の原因だ。腎臓の機能を思い出そう。腎不全で呼吸困難になることはあるだろうか?
ググってみよう。
2つ目のリンクから症状を引用すると:
「仰向けになると息苦しくなる」、「夜中に突然息苦しく」、「のどの奥でゼーゼーという音」、「ピンク色の泡のようなたんが出る」
上のマンガの3コマ目に「泡」が描かれている。
Case 017
さて、最後の描き下ろしのエピソードでは、辻先生自身にアクシデントが起こる。どうなるだろう?
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