2018年度解剖学アンケート

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2018年度解剖学の授業終了にあたって、授業に関するアンケート調査を実施した。

  • 調査期間:2018年12月4日〜27日
  • 調査対象者:2018年度解剖学履修生(医学部医学科2年)134名
  • 調査方法:Googleフォーム
  • 認証:LDAPサーバによる全学認証(回答の匿名化を選択可)
  • 質問形式:リッカート尺度法SD法、自由記載
  • 回収率:99.3%

回答状況

受付開始から〆切までに、3相に分かれて回答率が推移した。すなわち、受付直後と〆切直前の急速相と、それらの間の緩徐相である。急速相の変化の幅がほぼ同じであったことから、応答の早いポピュレーションと、〆切まで引き伸ばすポピュレーションの2つにクラスが二分されていたようだ。

授業全般について

夏休みの宿題は好評で、自由記載では内容をもう少し増やしてもよいとの意見があった。スケジュール、実地試験、試験の量や難易度も好評だった。リッカートプロット(※)で表示。

※ リッカート尺度法の調査の集計で用いられる形式で、中央の値の回答を軸の中心に揃える積み重ねバーグラフ。軸の値は本来1–0–1にするのが一般的だが、グラフを描いたプログラムの都合で0〜2になっている。

解剖の授業にCTとエコーを取り入れたことについて

解剖の授業に英語を取り入れたことについて

解剖学で英語を学ぶことについて理解を得られた。Quizletの使用頻度からすると実質的に利用していたのはおよそ2割だった。利用者には好評で、特に音声に評価が高かった。医学英語には発音を調べるのがむずかいいものが多く、ローマ字読みではネイティブスピーカーには聞き取れない。より多くQuizletを利用してほしかったところだ。医学英語の授業も受講者には好評で、解剖学の学習に役立ったとの評価を得た。

解剖の授業に取り入れたITサービスについて

ITサービスは全般に好評で、例年同様、特にGoogleカレンダーとメール通知の評価が極めて高かった。Twitterについてはブログからの自動配信が主だったが、一定の好評価は得られた。

解剖班とその班組み方法について

班分けの最適化について、好評を得た。ランダム、番号順で分けられた班と比較しても、よかった。班分けのための調査方法がプライバシーの開示を含むので、それを懸念する向きが多いかと想像していたが、実際にはそれほどでもなかった。ただし皆無ではないのでプライバシー保護の取り組みは継続すべきと考える。

解剖学担当教員の評価について

解剖学の授業では、機能形態学の教員の他にも多くの医学科教員、附属病院医員、大学教育センター教員、非常勤講師が携わった。概ねいずれも高評価をえられた。

学習で利用した教科書・参考書について

教科書について、指定の実習書の評価が高かった。履修生のほとんどが『グレイ解剖学』を学び、高評価を与えていた。『イラスト解剖学』も使用した履修生には好評だった。『臨床のための解剖学』、『ムーア臨床解剖学』は、米国ではときに『グレイ解剖学』よりも高評価になるが、ここでは比較的それらの評価は下がった。アトラスでは、『プロメテウス解剖学コアアトラス』の使用率が高く、評価も高かった。『解剖学カラーアトラス』は写真のアトラスとしての利点を指摘する意見があった。

個人で利用している情報機器について

スマートフォンでは、iPhoneが8割に達し、Androidの4倍になった。タブレットもiPadがAndroid(Kindle Fireも含む)を数倍上回った。パソコンでは、MacとWindowsがほぼ拮抗した。本学医学科では新入生に配付する資料にパソコン購入のガイドがあり、そこでMacがDICOMビュアーとの関連で紹介されており、その効果があったと考えられる。

 

自己学習の状況について

自己学習状況(申告)によれば、平時の学習時間は30分〜2時間程度だった。ゼロが2割にも達したのは、予習を推奨していたので、残念だった。試験準備期間には5〜6時間を中心に、集中して学習していたのがうかがわれた。求められる知識量からすると、平時から心掛けて学習するのが最も効果的であると考えられる。来年度以降、なにか授業上の対応は検討したほうがいいかもしれない。

学習時間と成績との相関をみると、相関はないか、ごく弱い相関しか示されない(データ非公開)。これは、一定の到達目標が各自にあり(例えば単位取得だけとか、高いクラス順位を希求するなど)、各自の能力に応じてそれに十分なだけの学習をしたからだろうと考えられる。

試験対策を始めたのは1週間前後〜2週間前が多かった。組織学などと合わせて毎月試験があるので、実際的なところと思われる。

テキストマイニング

自由記載の設問について、User Local社のテキストマイニングツールによりワードクラウドを作成した。

解剖班について自由に書いてください

CT、iPad、エコーについて自由に書いてください

解剖学でのITに関して自由に書いてください

解剖学での英語について自由に書いてください

教員に関して自由に書いてください

その他有用だった教科書・参考書があったら教えてください。

解剖学の授業全体に関して自由に書いてください

自由記載で記された提案や疑義に対する回答

  • PANDORAのPDFがスマホでみられない:スマホやタブレットでは、ブラウザではなくQfileアプリを使うとPDFがみられます。
  • Quizletがネットにつないでないと使えない:Quizletの仕様です。
  • Quizletのクイズが厳密すぎ:Quizletの仕様です。
  • 英単語を聞き流して聴ける教材を:PANDORAにあります。2018解剖学>解剖英単語>Anatomy Word Beats
  • 解剖と医学英語の進行を合わせて:授業のフォーマットが許す範囲でできるだけ相互に役立つようには工夫しています。
  • プリントを両面印刷に:プリンタの性質上、普通紙に両面印刷すると裏写りして見づらくなります。裏写りしにくい用紙は高コストです。
  • CT課題は個人で:他の課題も含め評価の品質と教育効果を勘案し、今年度は班ごとになりました。全員で協力して作業してもらうのがチーム学習上望ましいので、そうなるような工夫を考えます。