統計学図鑑
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統計学のいろいろな手法をまとめた本。「図鑑」の名に違わず、t-検定などの普通の手法だけでなく、ノンパラメトリック検定、多重検定、多変量解析、検定力解析、ベイズ統計学、ビッグデータまで、取り扱われている手法は幅広い。
医学研究では、群が3つ以上だったり、因子が多数あったり、アンケートの選択肢だったりして、一般的な統計手法が役立たないことが多い。ところが、統計学の入門書の多くがせいぜいt-検定あたりで終わっていたり、その先があっても読者が息切れしたりする。本書は項目毎に完結していて、説明が平易なので必要なところから読める。
実用的な知識を得るにはより詳しい本が必要かもしれないが、自分に必要に合った手法があるかどうかわかるだけでも役に立つ。
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もくじ(一部)
冒頭に統計学の概説がある。統計学の手法のそれぞれで何ができるかのまとめがある。統計学のへなちょこな難解な専門用語にたよらず平易な言葉使いで的確に説明されていて、わかりやすく、迷子になりにくい。
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「実験計画法=実験を成功させるためのマナー集」など、説明が平易で的を射ている
それぞれの項目も平易で的確。ところどころのイラストや吹き出しもが、見やすさや理解のしやすさを助けている。
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イラストと吹き出し、平易な説明文
t-検定は最初からWelchで、など、手法のアドバイスが現代的なので、安心して使える。
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t-検定は最初からWelchでやるのが、いまのベストプラクティス
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ノンパラの適用範囲は広い
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検出力分析のない実験は信用されない
大部分の項目は数理的な説明だけだが、一部の項目ではRコマンドも掲載されている。出版社のサイトからダウンロードすることもできる。
ソフトウエアとしてRが選択されているのも好ましい。統計学の分野ではExcelの関数は不正確と疑われているようだし、SPSSやSASは高価すぎて普通の人は買えない。RとRStudioをいっしょに使えば、GUI環境で快適だ。
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いろいろな治療法を試す研究には多変量解析や多重検定が必要になる。Rコマンドも
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