リットマン カーディオロジーⅣ
3M リットマンの循環器専門医用の代表的な聴診器「カーディオロジーⅣ」。2016年に前モデルの「カーディオロジーⅢ」からモデルチェンジされた。2018年6月現在、米国Amazon.comには800件を超えるレビューがある。平均4.8/5で、聴診器では最も高評価。米国製。
カーディオロジーⅣをベンチマークにする心臓専門医は多い。音響性能は「カーディオロジーⅢ」を継承している。詳しくは、Amazon.comのレビューを参照されたい。これを使っているなら言い訳はできない。聴診の練習をがんばろう。
チェストピースはステンレスの削り出し。大小2面のダイアフラムがある。ふつうは大きい方、小児には小さい方を使う。ダイアフラムは、サスペンデッド・ダイアフラム(米国ではtunable diaphragmと呼ばれる)で、体表にかるく当てると低音、押しつけると高音が強調される。チェストピースをひっくり返さずにⅢ音、Ⅳ音の鑑別ができる(当てる力を強くして聞こえなくなればⅢ音やⅣ音)。
ダイアフラムにはプラスチックの縁取りがされていて、触れたときに冷感を感じさせにくい(ノンチル・リム)。小さい方のダイアフラムをリムだけの部材と交換すればベルになるので、OSCE(でベルを使うポーズをする)にも対応できる。
チューブは左右2本の空洞があるダブルルーメンで、伝音に優れる。同様に音響特性がよいとされるラパポートタイプでは独立したチューブ2本になっているが、チューブ同士がこすれてノイズになる。こういう欠点がない。
「カーディオロジーⅢ」からの変更点は、リムとダイアフラムが一体化されたこと。コンタミネーションのもとになる隙間が減り、消毒のための清拭がしやすくなった。チューブのゴムの材質が改良され、皮脂やエタノールに侵されにくくなった。また、表面が梨地になり、べたつきが減った。
チューブが太く、分岐部が三角形になっているので、たたんでもあまり小さくならない。白衣のポケットにいれるなら、大きなポケットのある白衣を選ぼう。チューブをループにして、チェストピースをバイノーラルのバネのところに掛けた状態で、およそ25 × 10 × 4.5 cm。ポーチやケースを選ぶ参考に。内寸の長さがこれより少ないと、チューブが無理に曲がる。幅と厚さはバイノーラルの耳に掛かる部分が決めている。チェストピースの厚さは約3 cm。
カーディオロジーⅢやⅣは病院に沢山ある。他の人のと紛れないよう、名前を刻印したり、ネームタグを付けたり、あまり見かけない色を選ぶとよい。パネシアンのレーザー刻印は美しい。
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