ねじ子とパン太郎のモニター心電図 改訂版

ねじ子とパン太郎のモニター心電図 改訂版 (ナース専科ポケットブックシリーズ4)

ねじ子とパン太郎のモニター心電図 改訂版 (ナース専科ポケットブックシリーズ4)

大上 丈彦, 森皆 ねじ子
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4月に改訂された。心電計の自動診断の方が自分より上手(泣)と思ったら、読んでみよう。

病院には「生体情報モニタ」という医療機器がある。心電図、バイタルサイン、血中酸素飽和度などを常時計測するもので、患者の状態が不安定だったり、手術中だったりのときに使われる。テレビドラマで登場人物が危篤!というときにもでてくる。

患者の状態が急変するとアラーム音が鳴って、医師や看護師が駆けつける。画面の波形を見てこれはいかん!となって、処置をするわけだ。

本書のタイトルにはモニター心電図とあるけれど、12誘導心電図の話も出てきて、心電図全般がわかるようになっている。4部構成になっている:

  1. 心電図のキホン(ピンク
  2. いろいろな病気・病態のモニター心電図(Ⅱ誘導)の波形を見開きで解説(水色
  3. 心電図の勉強(
  4. 病気順と波形順の2通りにならべた目次(
    はまえがき、あとがき)

4部構成

医学生なら、第1部と第3部から読む。

第1部は心電図のキホンをさらりと

第3部は心電図の勉強

講義や実習で病気や波形の話がでてきたら、相当するページをもくじから探して、第2部を読む。第2部は見開き完結になっていて、ウサギやパンダのアイコンで詳しい説明のあるページが示されている。また、緊急度のわかるアイコンもある。キケンな波形は、鑑別で落とさないようにしよう。

もくじ。波形が載っていて、心電図の勉強がだいたいできていればもくじだけで済んでしまう

第2部はいろいろな病気の波形。参照ページや緊急度のアイコンがある

説明は簡潔でわかりやすい。ちゃんと専門的で、そのうえ実際的でもある。心電図の見方など、

こだまでしょうか、いいえ、だれでも。
——金子みすゞ「こだまでしょうか」

という気持ちだ。

「まずは自動診断の結果をみる(笑)」

(ヒント:自動診断は優秀だけど、アホな判断をすることもある。どういうことか、あとがきを読もう)

文庫版なので、ポリクリで心臓内科を回るときにケーシーに入れておける。装丁が丁寧だ。カバーはコート紙で、ぬれても傷みにくい。傷んで外しても、同じ表紙がでてくる。

カバーを外しても同じデザイン

本の後ろ側には、カバーにも表紙にも、名前を書くところがある。ちゃんと書いておこう。医局とか、ナースセンターとか、小物はよく無くなるんだ。

なまえを書く欄がある

今回の改訂では、カバーの折り返しに「心拍数スケール」と「QTスケール」が追加された。

心拍数スケール

QTスケール

内容の変更は、旧版でわかりにくかった表現の修正。全体の構成は旧版と同じ。ページ数まで同じだ。旧版に書き込みをたくさんして使いこなしているなら、そのまま使っていて大丈夫。反対に旧版がボロになって新調したいなら、買い換えても使い勝手が同じなので安心。

下が旧版、上に乗っているのが改訂版。ページ数が同じ(99ページ)。このパン太郎の発言はわかりやすくなったのだろうか?(笑)

心電図の描き方。病状説明のときにこのスキルが役立つかも

筆者の大上氏はサイエンスライターだけど医師でもあり、ねじ子氏は画師だけど医師でもあり、研修医や看護師向けの著作がある。

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更新履歴:

  • 2017/5/1 最初の投稿
  • 2017/6/6 心電図の描き方のページを追加