人が病気で死ぬワケを考えてみた
三大死因(感染症、がん、生活習慣病)について、発症から死に至るまでが書かれている。重苦しい「哲学的」なエッセイとはちがう。
がんに罹ったセレブリティがしばしばマスコミで報じられる。「奇跡」があたりまえに起きて生還するかのように、ニュースが仕立てられている。人自体「死に至る病」だという。それを正視しなかったために早期治療のチャンスを逃してしまうことは少なくない(*)。人が最後はどう死ぬはずかを了解して、その感じを主治医と共有できていたら、余命をムダにすることが減るはずだ。
ひとが死んでいくまでの様子には、実際に携わってはじめて合点する部分がある(⁑)。普通の、死をみたことのない人でもそれがわかるように、本書はそれをイラストや手書きの文章で説明しようとしている。
* たとえば、ジョブズの死因となったのは、普通の膵がんより良性の神経内分泌腫瘍だったが、ジョブズが手術を躊躇したために治療がおくれたとされる。
⁑ 死をみたことのあるひとにだけみえる魔法動物セストラル(『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』)は、それを表したのだろうか。
コメントを投稿するにはログインしてください。