亀田講義ナマ中継 生化学(わかりすぎてヤバい!)
筆者は大学受験予備校の講師。高校で化学や生物学を選択していなかったために生化学の授業がわからないとか、生化学の教科書に抵抗を感じていたら。代謝調節や病態までは広がらず、生理学への連絡も稀薄。読んだらふつうの教科書に進もう。
内容は大きく二つに分かれていて、「分子の構造と機能 編」では、主な生体分子を分類し、特徴(暗記しておくべきこと)が説明される。次の「物質の代謝 編」では、主な代謝経路が説明される。筆者は代謝を押さえることが生化学の学習をスタートする要と考えているようだ。
説明は、教員(筆者がモデル)と大学生(ねこ)との会話形式(表紙の女性は内容とは無関係)。予備校の先生らしく、要点の絞り込みは鋭い。
「分子の構造と機能 編」でも、分子が大胆にモデル化(人型化)され、なじみやすい。
ミカエリス=メンテンが省かれていないのは幸いだ。医薬の大半は何らかの阻害剤なので、ミカエリス=メンテンは早期に知っていた方がよい。アロステリックのことは紹介程度で、ヘモグロビンには言及がない。このあたりが本書のカバー範囲の境界になる。
「物質の代謝 編」では、代謝経路が人型で単純化される。結局は化学式を追わないとちゃんとは理解できないのだろうが、そのまえに概略を掴むのに役立つ。
「悪玉コレステロール」とか「コエンザイムQ10」など、マスコミなどでよく見かける話題もあり、読者の興味を保つ工夫がある。ただし、医学や医療の範疇になるとテレビのコメンテーターの受け売り程度で、エビデンスに基づいた論説には遠いところもある。読者自身の裏付け調査に期待しなければならない。参考:「健康食品」の安全性・有効性情報
@sakurt01 「生化学」の教科書を有機化学、分子生物学、生理学の厚い教科書から差別化するキラーコンテンツはなにかにゃ?
— 解剖ちゃん (@kaibo_chan) 2017年1月5日
難しいですね。目的によりますが、医学部で使う知識(ニアリーイコールCBTでよく訊かれること)とするならば代謝調節や病態生化学につながる様に、それを分量を増やさずに要領よくまとめてあるものではないでしょうか。ちな,マンガの生化学を書いたのは僕の大学院の後輩です(よく売れてるらしい https://t.co/kxHDOJwyOf
— Takeshi Sakurai (@sakurt01) 2017年1月5日
これ↓
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