新発生学 第4版
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人体発生学のコンパクトな教科書。
発生学のパースペクティブを労少なく得られるのが利点だ。CBTの演習で、疑問を当たるときのリソースとしても役立つかもしれない。
内外の多くの教科書からエッセンスをまとめたと考えてよいようだ。全体の構成は『ラングマン人体発生学』に似ている。そのせいか、四肢発生がほとんど含まれない。
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参考文献には代表的な発生学の教科書が挙げられている
全体が見開きのレイアウトで構成されている。イラストは手書きの線画にコンピュータで彩色されたもの。柔らかいタッチと色彩が心理的に優しい。紙面上の大きさは大きくはないが、数はたくさんある。
発生学の形態学的な記載はCBTには十分に思われる。二次心臓野など新しめの概念も言及されている。一方、発生生物学的・分子生物学的な内容はほとんど含まれない。
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見開きのレイアウト
イラストの多くは他の教科書などを参考にしているようだ。しかし具体的な出典はない。立体的に理解のむずかしい部分は、原典以上には中々ならないようだ。
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膜性中隔の発生の図はわかりにくい
発生異常が多く記載されている。
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腎臓・尿管の発生異常のページ
咽頭弓はそれ自体の見開きのページがあり、加えてそれぞれの系統や部位のページでも説明される。神経堤細胞についても同様に扱われていたらよかったと思うが、実際には神経系のページで少し言及されているだけだ。
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神経系の発生のなかでの咽頭弓への言及
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