Nikonの顕微鏡にSony α7Sを取り付ける

ミラーレス一眼をニコンの顕微鏡に取り付けるには、ニコンの純正部品とサードパーティのFマウントアダプターを使うのがよい。マイクロネット株式会社のカメラアダプターはぐらつくのでよくない。製造中止になっている2.5倍投影レンズを入手できるかがポイント。

ニコンのサイトやカタログには情報がないので、ここに記す。

機材

ニコンの一眼レフを取り付けるなら、マウントアダプターは不要。マウントアダプターさえあれば、ソニー以外でも取り付けられる(たとえばキヤノンのEOS)

取り付け

  1. α7SにACアダプタを取り付ける。フタがしまりにくいので、注意してケーブルをなじませること。バッテリーで使ったほうがよいかもしれない。
  2. HDMIケーブルをα7Sに挿入し、ケーブルプロテクターで固定する。カメラの接続部を壊さないよう注意!
  3. V-T写真鏡筒の上部にあるねじを緩め、TMS-F Fマウントアダプタをまっすぐ引き抜く
  4. Fマウント−EマウントアダプタをTMS-F Fマウントアダプタに取り付ける。(Fマウントの回転方向はEマウントと逆なので注意)
  5. α7SとFマウント−Eマウントアダプタを接続する。
  6. TMS-F FマウントアダプタをV-T写真鏡筒にまっすぐ挿入し、固定ねじを軽く締める
IMG_1324
取り付けた様子。カメラの横についているのがケーブルプロテクター。
IMG_1322
全体像。上からα7S(黒いカメラ)、F–Eマウントアダプタ(黒い筒)、Fマウントアダプタ(淡褐色の筒)、写真鏡筒(白い筒)、E-1000。右側はモニタ。

設定

カメラのメモリ1に次のような設定をつくる。色温度や色調の設定はしてもしなくても、RAWのデータ自体に違いはない。ただし現像時の初期条件にはなる。

  • ISO AUTO(ノイズをなくしたいときはISO 50〜800)
  • 絞り優先、中央重点測光
  • 記録形式はRAW
  • ディスプレイに画像処理しない画像が表示されるように設定(処理済み画像だと、ISO 100も25600も同じに見える)
  • レンズなしレリーズをする
  • 赤外線リモコンを受け付ける

撮影例

HE染色したリンパ節の標本を、20×の対物レンズを使い、ISOのみ変えて撮影。顕微鏡の35mmカメラ用視野枠の90%位が写る。RAWで記録し、Lightroomで色温度と露出のみ調整。

目的によるが、透過像をノイズレスで撮影するならISO800まで。暗い蛍光像を撮影するならノイズとのトレードオフでISO25600まで。

DSC00189-2
ISO100
ISO1600
ISO1600
ISO25600
ISO25600

ディテールの比較のため、画像の一部(左下の部分;フルサイズの10%の大きさ)を切り抜いた。

ISO100。Lightroomで色温度と露出のみ補正。他も同じ補正
ISO100。Lightroomで色温度と露出のみ補正。他も同じ補正
ISO1600
ISO1600。少しノイズが乗り始める。
ISO25600
ISO25600。ノイズが目立つが、ノイズリダクションで十分使えるようになる