Cellular and Molecular Immunology, 8e

クリニカルシナリオを学ぶときには、症例を説明できそうな病態を、炎症、感染、自己免疫、中毒、代謝性、腫瘍、先天奇形…というように、大きなカテゴリーのそれぞれについて考えていく。それによって一つの症例から多くを学べるわけだ(Prober, 2012)。そのときの思考の精度に基礎医学の素養の如何が関わる。解剖学、生理学はいうまでもないが、免疫学も重要だ(上のカテゴリーでいえば最初の3つは免疫学のテリトリーだから)。

免疫学がそのような役に立つために重要なことは、ストーリーだ。免疫学はとかく細胞や因子のサブクラスの逐次説明に陥って意味不明になりがち。まずこれ(↓)を読んでみよう:

あとは授業の要求に合わせて教科書を選ぼう。

Cellular and Molecular Immunology, 8e』は、Amazon.comでは高評価の教科書だ。説明は平易で、要所に明快な模式図があり理解を助けている。内容は詳しいが、ストーリーをあらかじめつかんでいれば、納得しながら読めるだろう。

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T細胞の分化。多様性と自己寛容を両立させるポイント
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末梢性寛容のポイント

本書の表紙は、『マンガでわかる免疫学』の著者の河本氏の作品だ。

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Cellular and Molecular Immunology』とその簡易版の『Basic Immunology』には、それぞれ日本語版『分子細胞免疫学』、『基礎免疫学』がある。ただし、いずれも日本語訳がわかりにくい。(下はこの3点それぞれのネガティブセレクションを説明する部分)

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原著第8版
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分子細胞免疫学第7版
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基礎免疫学原著第4版

Prober, C. G., & Heath, C. (2012). Lecture halls without lectures–a proposal for medical education. N Engl J Med, 366(18), 1657–1659. http://doi.org/10.1056/NEJMp1202451