Case Review Series
ElsevierのCase Review Seriesから2点。画像診断学の専門家向けに企画された、Case-based Learning(CBL)の教材だ。
MRIにはいろいろな撮影法があり、コントラストの出方が異なる。「T1は水が黒、T2は白」くらいでもCBT・国試なら大丈夫かもしれないが、自分で使いこなすとなると、原理や使い分け、病変の種類ごとの描写を知らないといけない。
Duke Review of MRI Principles: Case Review Series では、代表的な撮影法ごとに章立てられ、症例がまとめられている。
最初に症例がひとつ示される。その章で学ぶべきポイントを設定するためのものだ。その章を学ぶ意義が自分にあるかどうか、あるなら目安は何か、ここでわかる。
続いて、撮影法の原理と応用のポイントが説明される。この説明は「high yield」と前書きにあるとおり高密度な文章で、模式図は全くないので、初見で理解するのは難しい。この後を読むための知識を標準化しておくためののようだ。
続いて関連する症例がいくつか紹介される。臨床に携わっている医師たちが書いているので、記述は実際的だ。
Musculoskeletal Imaging: Case Review Series, 2e
Musculoskeletal Imaging: Case Review Series, 2e は、運動器系疾患や外傷の画像診断学を症例から学ぶテキストだ。症例は難易度別に3段階に分けられている。
- Opening Round
- Fair Game
- Challenge
Opening Roundでは、代表的な症例が紹介される。人名の付いている典型的な骨折や、CBTや国試にも出題されるテーマがあり、医学科生にも参考になるだろう。鑑別のポイントも役に立つ。
Fair Gameでは、その名の通り(いいカモの意味)専門家でないと悩む症例がでてくる。Challengeはさらに難しい。
解説は簡潔だ。知らない疾患や外傷なら、この解説だけではわからないだろう。他をいろいろ調べて学ぼう。CBLの学び方は本来そういうものだ。
PaperbackのほかKindle版もある。このシリーズのうちここ数年に出版されたタイトルは、Expert Consultに対応している(例)。米英など一部の国ではDRM付きePubやPDFもある。
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