現着!QQQ
森皆ねじ子先生から昨年末の冬コミででた新刊『現着! QQQ —病院に着く前に—』をいただいた。
救命救急士・救急隊員向けの業界紙「プレホスピタル・ケア」の連載(2011年8月号~2014年2月号)がもとになっていて、そのうちの約半分が加筆修正され掲載されている。
救命救急士・救急隊員は英語で言うとファースト・レスポンダーだ。患者の状態を的確にみてレスポンスできるかどうかで、その運命が左右される。病状の把握や緊急度の判断に関して、医師と救急救命士で情報共有したい。
登場人物は、救命救急士の秋山くん(♂)、秋山くんの小学校の同級生で戦隊オタクの外科医の辻先生(♂)。この二人の掛け合いで、救急患者に対応していく。
脇役に、叩き上げの救急隊長(♂)、主張のハッキリした内科医のデストラーデ先生(♀)、救急外来ベテランナースさん(♀)、整形外科医の平野先生(♂)など。舞台は、筑波学園都市をモデルにしたどこかの、一次救急の病院(休日・夜間の手術はできない)で、救命救急の専門科はなく、外科と内科の医師2名が待機している。
掲載されている症例は9つ。いずれも、患者に出会ってから搬送が始まるまでがマンガ、そのあとの鑑別診断や処置が掛け合い形式の文章になっている。最後の「Case 009」が例としてねじ子先生のサイトで紹介されている。医学生には極めて重要な案件だから読んでみたい。
ここではCase 001を紹介しよう。
患者の現症が一コマで表現できているのは(下の写真の中央下のコマ)、マンガのパワーだ。最も確からしい病名は?
辻先生は、電話の情報からとりあえず開腹には至らなそうと判断して患者を引き受けた(一次救急)。
病院に着いてからの鑑別診断や処置がセリフ形式の文章になる。
治療など救命救急後のポイント、鑑別診断、症例のまとめがそれぞれカラムとしてまとめられている。
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