Week3 Day3 手掌、前腕の伸筋、手背

午前と午後 

8:40 開始、ブリーフィングしましたか?
9:40 全班皮膚。手掌、手背も。
10:30 短掌筋は見えたり見えなかったり、多くの班で、皮膚と並進して、次へ進む。

・短掌筋:結合組織の中に、まとまりのない筋組織が見つかる。一部筋束が確認できたら深部へ進む。幅広く剖出するのは難しい。自身で握り拳をつくってみて、幅広く窪むところが停止部。

13:00 再開。
13:10 腕神経叢スケッチを返却。
14:45 最速2班。運動や感覚の支配神経は?身体運動は?16:30 残り18。17:00 残り13。17:30 残り3。19:15 終了。

・採点基準:5段階評価。剖出や記載法は現場で指摘、修正を促しましたので、多くは満点です。ただし、明らかな誤字 −1、軽微な誤字 -0.5としました。いずれもホワイトボードで確認した文字です。
・今後のレポート:今回は教員がサポートしましたが、今後は各自で上質なレポートをつくるよう、励んでください。
・個々の母指球筋:一見して、区別が難しい個体と、易しい個体。迷ったら、まず他班を偵察するもよし。
・諮問の定番:この神経支配するものが働くとどのような身体運動が…
・いつも遅くまでかかってしまう:良いか悪いかは場合に寄るでしょうが、特徴一つ記します。実習書を一行ごとに作業すると、遅いくなり、情報が断片的になる。一方、実習書の黄色いブロックごとに作業すると、早くて、立体情報、関連情報が身につく。

===依藤メモ===

*「手固有筋(hand intrinsic muscle)」は教科書によっては「手内筋」と記されている本もある。
*p38 右カラム7.「手掌と手背,そして・・・」の所はその下の3行の注意事項をきちんと読んだ上で実施する。手掌の皮膚は上腕や前腕の皮膚とは異なり、薄く剥こうとすると、手のひら全体を1枚の大きな皮膚片としては剥がせない。適当な小片として剥がすこと。
*短掌筋が「皮筋」との説明があるが、皮筋とは停止が皮膚の真皮になっている筋をいう。代表的な皮筋は顔面の表情筋で、この作用により、皮膚にしわをよせたりすることができる。皮膚をむく時はむく方向に注意(どの方向にむけば皮膚とともにむいてしまわないか考えてみよ)し、浅くむかないと、筋自体も一緒に取れてしまうので注意。
*深指屈筋の腱は指の掌側で浅指屈筋の腱に入ったスリットの中を通り、遠位に向かって走っている。この2つの腱の立体交差(自然の作る構造の妙)についてよく観察すること。
*P.41 「母指球筋群」1. 手掌筋膜を母指球筋群から剥離するにあたっては正中神経の反回枝(図2.28参照)を保存するよう気をつけること。
*短母指屈筋は教科書によっては浅頭(外側頭)・深頭(内側頭)の2頭を区別し、深頭の支配神経を尺骨神経としているものがあるので、注意!(深頭は長母指屈筋腱の下にあり。)
*医学用語としての「対立」は母指の末節掌側面を他の指(特に小指)の末節掌側面に触れさせる動作をいう。ヒトのみに可能の動作で、類人猿以下の哺乳類では不可能。(実習講義で「猿手」との関係で既に伝達済み。)
*腕橈骨筋は橈骨神経支配で伸筋群(後方区画)の筋として分類されていますが、作用は肘関節の屈曲である点に注意して下さい。
*「前腕伸筋領域と手背」の前腕の伸筋の同定には、実習講義で話した伸筋支帯下の6つのトンネルのどこを通るかが有用。
*P42 9.の「解剖はしない」と書いてある背側骨間筋は次節「前腕の伸側領域と手背」で解剖するので、ここは観察のみ行う。
*実習書の誤記・誤植:
 P.39 左カラム 9. 3行目「1本を」→「1本の」、P.40 左カラム 9. 4行目「橈骨縁」→「橈側縁」、P.43 「解剖の要点」3行目 「第2指」→「第2~5指」
[追加指示]
*指が強く屈曲し、皮切りがおこないにくい時は浅指屈筋、深指屈筋の腱を手首の近位4cm程度で切断すると少しは指が伸ばせるようになります。
*明日午後は自習用に実習室を16:00まで開けますが、16:00には部屋を完全に退出できるよう15:45頃には後片付けに入るようにして下さい。骨の復習は3Fの顕微鏡実習室が使えます。こちらは18:00まで使用可です。

*明日の「関節」の項は実習書に記してある通り一側だけ関節の解剖を進め、他側は軟組織をつけたまま残して下さい。(奇数班は右側で、偶数班は左側で関節の解剖をおこなって下さい。)