The Zebrafish in Biomedical Research: Biology, Husbandry, Diseases, and Research Applications

実験動物のマニュアルのシリーズ「American College of Laboratory Animal Medicine Series」の新刊。このシリーズに含まれるのは哺乳類と鳥類だけだったが、初めてゼブラフィッシュが含まれた。

ゼブラフィッシュが実験動物として扱われるようになったのは比較的最近だが、1980年代以降、発生生物学、分子生物学などへの応用が増え、論文数ではショウジョウバエに並んでいる。

ゼブラフィッシュの発生段階を定めた論文

は現在までに約8,000件の引用がある。

 

 

『The Zebrafish in Biomedical Research』は冊子体の他、PDF版、冊子体+PDFのバンドルがある。PDF版とバンドル版は出版社からの直接購入になる。冊子体よりPDF版の方が、検索ができ、目次や本文からのリンクがあって、使いやすい。

PDF版

 

ゼブラフィッシュを用いた生物学研究を概観できる内容だ。生物としてのゼブラフィッシュの基本を押さえ、どのような研究に利用できるかのアイディアを得られる。

もくじ(抜粋し和訳)

  • I. はじめに
  • II. 生物学
    • 外観、発生、解剖学、生理学
    • 臓器系:発生学、解剖学、生理学
    • 特殊感覚に関連する組織と器官
    • 飼育方法
  • III. 疾患
  • Ⅳ. ゼブラフィッシュを用いた研究
    • 脊椎動物の発生を理解するモデルとしてのゼブラフィッシュ
    • 行動の神経基盤を明らかにするモデルとしてのゼブラフィッシュ
    • ヒトの遺伝性疾患を理解するモデルとしてのゼブラフィッシュ
    • 研究モデルとしてのゼブラフィッシュ
    • 遺伝子機能とヒト疾患の病態を理解するためのゼブラフィッシュ遺伝子の標的編集
    • 遺伝学的スクリーニングのプラットフォームとしてのゼブラフィッシュ
    • 医薬品スクリーニングのためのプラットフォームとしてのゼブラフィッシュ

 

ゼブラフィッシュの概観

 

ゼブラフィッシュの有毛細胞

 

一方で、実際に実験しようとするときの方法は具体的には説明されていない。そのような情報源はすでに優れたのがあるので、本書で取り上げることもないだろう。

ゼブラフィッシュの実験プロトコル集としてよく使われている成書に『The Zebrafish Book: A guide for the laboratory use of zebrafish (Danio rerio)』(Eugene, University of Oregon Press)がある。冊子体を買おうとすると送料が冊子自体の価格の倍くらいかかる。同じ内容がオンラインで無料で公開されているので、それで足りるだろう。

 

The Zebrafish Book

 

The Zebrafish Book、The Zebrafish in Biomedical ResearchのいずれにもGeorge Streisinger博士へのDedicationがある。生物学研究に最初にゼブラフィッシュを導入したが、夭折