ポケット正常画像 A to Z 第3版
画像解剖学のアトラス。
画像診断の第一歩は、基礎医学で解剖学を最初に学ぶのと同様、正常画像をよくみて馴染むことだ。病変のある画像を見るときに、それが基準になる。
A6版で判型は実測152×102mm。512ページあって厚み22mm。手の中で気安く参照できる大きさがよい。白衣やスクラブのポケットに入れれば入るけれども、そうやって使うならiPadに医書.jpの電子版を入れたほうがいい。
部位ごとに章分けされている。
- 頭部
- 頸部
- 眼窩
- 肺縦隔
- 心大血管
- 腹部
- 骨盤(男女)
- 上肢
- 下肢
- 脊椎
- 乳腺
- 全身
扱われているモダリティーは、X線写真、アンジオ、CT、MRI、シンチ(PETは含まれない)など。領域別によくつかわれるモダリティーが選ばれて整理されている。どういう場面でどういうモダリティーが役に立つかもおのずとわかってくる。腹部ならこんな感じ:
- 腹部単純XP
- 胃透視(充満・二重造影)
- 注腸造影XP
- 腹部CT横断面
- 腹部MRI冠状面
- 腹部デジタルサブトラクションアンジオグラフィー
- 尿路造影
- 肝シンチ
- 腎シンチ
腹部ならエコーもよく使われるが、本書では取り扱われない。そっちは臨床検査技師で、こっちは放射線技師だからかな?
各項目とも見開きで完結するようにレイアウトされている。
左ページに、タイトルに続いて「読影の要点」というまとめの解説がある。その下に正常画像があるが、ラベルなどは入っておらず素のまま。
右ページに、それに対応するラベルが入っている。名称には日本語だけでなく英語も入っている。英語が求められる局面でも役に立つ。その下に、画像の解説。
CTやMRIは、いくつかの連続スライスが見開きで続けて示される。スライスの位置が模式図で入っている。
本学では解剖学と同時にCT画像解剖学も学び、レポート課題もある。CT画像を読むときの参考書として便利だろう。

見開き簡潔のレイアウト

腹部CTの連続スライスからの一枚のスライス

MRI

整形外科領域のMRI
第3版で追加されたもののひとつが、シンチグラフィー。小児の手根骨の骨化の画像も追加された。国試によく出題される。

肺シンチ
紙面の写真は、メジカルビュー社の許諾を得て(2025年12月15日)、本記事に掲載されています。転載、再利用は厳にお控えください。
